茨城大学付属小いじめ問題、文科省に「隠蔽」打診か 第三者委報告書原案の内容が判明
茨城大学教育学部付属小学校で2021年に発生したいじめ重大事態を巡り、大学側が文部科学省に対し、事実を隠蔽するような「口裏合わせ」を求めていたことが明らかになりました。第三者委員会の調査報告書原案の内容が関係者への取材で明らかになり、大学の対応に批判が集まっています。
いじめの内容と初期対応の遅れ
報告書原案によると、2020年11月頃から2021年6月にかけて、当時3、4年生だった女児に対し、同級生が毎日のように待ち伏せし、他の同級生と引き離そうとするなどのいじめが行われていました。女児は2021年6月から不登校となり、付属小学校は当時、いじめ防止対策推進法に基づく調査を行っていませんでした。
付属小学校は当初、保護者に対し、2022年5月に文科省へ報告したと説明していました。しかし、実際には文科省の統計調査に件数を回答しただけで、正式な発生報告は行われていませんでした。
文科省への虚偽説明と隠蔽工作
保護者が2023年1月に文科省に経緯を説明したことを受け、文科省は大学側に個別の報告書の提出を指示しました。しかし、教育学部は「問題が大きくなる可能性があり、できれば(文科省に)これから報告が来ることは(保護者に)言わないでほしい」と、口裏合わせを求めていたことが判明しました。
文科省はこれに応じず、開示請求に対して「文書不存在」で回答。保護者に対し、大学が今後発生報告を提出することを伝えるよう促しました。それでも、大学は2023年2月16日に発生報告書を提出したにもかかわらず、翌17日に保護者に対し「22年5月30日に報告」と虚偽の説明を繰り返していました。
報告書原案は、付属小学校が「虚偽の説明を行い、報告を怠っていた事実を隠蔽しようとした」と認定。教育学部についても「隠蔽しようとする意図があった」と批判しています。
学長の不適切な行動
さらに、報告書原案は太田寛行学長の行動も問題視しています。問題が報じられた2023年4月以降、女児の登校状況が改善していたにもかかわらず、同年6月に学長が付属小学校を突然訪問し、女児と保護者と面会。その結果、女児は体調を崩し、再び不登校となってしまいました。
第三者委は「不適切ないじめ対応をしてきた組織の長が予告なく現れれば、児童に強い心理的負担を生じさせ悪影響が生じることは容易に想像できる」と指摘し、学長の無配慮な行動が「児童に2次的な被害を生じさせた」と判断しています。
今後の展開
第三者委は2025年秋に保護者に対し原案を説明し、保護者側から追加の調査などを求める意見書が提出されました。第三者委は近く、調査報告書を取りまとめて大学に提出するとみられています。
この問題に対し、茨城大学はコメントを避けています。