国旗損壊罪導入へ議論開始も…専門家「今やるべき問題じゃない」と疑問の声
自民党が、日の丸を破ったり汚したりする行為を罰する「国旗損壊罪」の導入に向けて議論を開始しました。高市早苗首相が悲願とするこの法案に対し、東京大学大学院の斎藤幸平准教授は、そのタイミングと必要性について疑問を呈しています。
物価高騰時に人気取り?専門家が警鐘
2026年4月5日放送のTBS系「サンデーモーニング」で、斎藤准教授は「今やることか?」と率直な意見を述べました。夏に予想される急激な物価高や、様々な社会問題が山積する中で、保守層へのアピールに過ぎないのではないかと指摘しています。
「インフレとか、いろいろ大変な問題がある中で、べつに国内で過激な反日活動みたいなものがあるわけではないので、このタイミングでわざわざ取り締まるような法律を作るというのは、結局、一部の保守へのアピールに過ぎないんじゃないか、政治的パフォーマンスに過ぎないんじゃないか」と斎藤准教授は語ります。
国旗への愛着は強制ではなく内発的に
斎藤准教授は、国旗への敬意は法律で強制するものではなく、国民一人ひとりの内から湧き出てくるべきだと主張します。保守の政治家に対し、「ドーンと構えていていただきたい」と呼びかけ、国民の自発的な愛国心を尊重する姿勢を求めました。
アメリカにはなく中国にはある法律
「外国には似たような法律があるじゃないかといわれますが、日本が大好きなアメリカは表現の自由を重視していて、そういった法律はないんです(国旗汚損罪に違憲判断)。逆に、皆さんが大嫌いな中国では、香港とかの抗議活動をする人を弾圧するために使われたりする。やはり、国民を弾圧するような懸念があるものは、そう稚拙に作ったりしない方がいいんじゃないかと思いますね」と、表現の自由との関連性や、政治的な利用の可能性についても警鐘を鳴らしています。
過去にも提出された改正案は廃案に
自民党が野党だった12年には、国旗棄損罪を盛り込んだ刑法改正案が提出されましたが、最終的には廃案となりました。今回の議論が、どのような結末を迎えるのか、今後の動向が注目されます。