国旗損壊罪、自民党が議論開始へ…党内は慎重論も
自民党は31日、国旗損壊罪の導入に向けたプロジェクトチーム(PT)の会合を開き、党内議論に着手します。連立政権を組む日本維新の会との合意を受け、今国会中に法整備を終えることを目指していますが、憲法が保障する表現の自由との関係や、党内での慎重論など、課題も山積しています。
なぜ今、国旗損壊罪なのか?
自民党の小林鷹之政調会長は、「外国の国旗には罰則があるのに、日本国旗にはないのは不自然」と導入の必要性を強調しています。この動きは、自民党と日本維新の会の連立政権合意書に国旗損壊罪の新設が明記されたことがきっかけとなりました。高市早苗首相も、野党時代に同様の法案を提出した経緯があり、維新の吉村洋文代表と今国会中の成立を目指す方針を確認しています。
法整備の進め方は?
通常、刑法改正には法制審議会の年単位の検討が必要ですが、自民党は議員立法による新法の提出を検討しています。これは、手続きを省略し、迅速に法整備を進めるためです。参院では少数与党の状況ですが、賛同を得られる参政党の協力を得て、今国会での成立を目指しています。
党内には反対意見も
しかし、党内には導入への異論も根強く存在します。現在の刑法には外国国章損壊罪があり、これは「外国に侮辱を加える目的」で他国の国旗などを損壊した場合に罰則が科せられます。この罪は親告罪であり、外国政府の請求がなければ起訴できません。自民党内では、日の丸を国内で損壊しても外交問題になるとは考えにくいことから、親告罪とすることに疑問の声も上がっています。
表現の自由との兼ね合い
また、どのような行為を対象とするかの線引きも難しい問題です。規定の仕方によっては、芸術活動や政治活動が萎縮し、憲法の思想・良心の自由や表現の自由に抵触する可能性も指摘されています。党幹部の一人は「右向けのポピュリズムとみなされる」と不安を口にしています。
議論は百出必至であり、政権幹部は「法制審で100年議論しても結論は出ない」と語るように、国旗損壊罪の導入は容易ではない見通しです。