優秀な部下に“耳の痛い話”が届かない?信頼を築く「心理的安全性」の正しい使い方
「指示待ちしかしない部下」に悩む上司は多いのではないでしょうか。欧米企業では少ない主体性のない部下を減らすには、部下教育の考え方を変える必要があるかもしれません。グーグルで人材育成統括部長を務めたピョートル・フェリクス・グジバチ氏の新刊『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』を参考に、日本と世界の部下教育の違いを解説します。
「心理的安全性」の誤解から脱却!
世界の一流企業では、健全な衝突や建設的な批判を前提としたチーム作りが行われています。厳しいフィードバックも、成長を促すための重要な要素として捉えられているのです。しかし、多くの日本企業では「心理的安全性」を「部下を傷つけない仕組み」と誤解し、厳しい指摘を避けてしまいがちです。
心理的安全性の本質は、緊張や衝突をなくすことではありません。むしろ、そういった状況が発生した際に、適切に受け止められる状態を構築することです。つまり、安心して意見を言える、建設的な議論ができる環境を作ることが重要になります。
信頼の「貯金」を築くために
前回解説した「傾聴」「承認」「質問」の3つの要素は、単なるコミュニケーションスキルではありません。これらは、将来的にリーダーが厳しい判断を下す際に必要となる「信用残高」を積み上げるための投資なのです。
日頃から部下への関心が薄い上司が、問題が起きた時に急に厳しく当たっても、部下の心に響くことはありません。日々の対話を通して部下を深く理解し、強固な信頼関係を築くことが大切です。
厳しいフィードバックが活きる理由
上司との間に信頼関係が築かれていれば、厳しい批判を受け入れても、部下はそれを「自分への攻撃」と捉えることはありません。客観的な指摘として真摯に受け止め、さらなる成長の糧にすることができるのです。信頼関係こそが、耳の痛い話を成長につなげるための鍵となるでしょう。
部下の育成に悩む上司は、ぜひ心理的安全性の正しい理解と、日々のコミュニケーションを通して信頼関係を築くことを意識してみてください。