「お醤油買いに…」家出した妻、見知らぬ人に救われた先に
「仕事と育児を両立する」という生き方が当たり前になりつつある現代。しかし、その裏側には、かつて「普通」だった価値観に縛られ、苦しんできた女性たちの存在があります。コミックエッセイ『うちのツマ知りませんか』(野原広子著/オーバーラップ)は、そんな現代の夫婦のリアルを鋭く描き出し、共感を呼んでいます。
変化する女性のライフコース
令和3年の国民生活基礎調査によると、結婚や出産後も仕事を続ける女性が5年前の調査に比べて大幅に増加。育児休業を取得する男性も増えています。かつては、結婚を機に退職するのが一般的でしたが、今では仕事と子育てを両立する女性が増加し、それが理想とされるようになっています。
しかし、昭和・平成時代には「寿退社」が当たり前で、「オールドミス」といった言葉も存在しました。女性の生き方は大きく変化しており、その変化の過程で、多くの女性が苦悩してきたのです。
コミックエッセイ『うちのツマ知りませんか』あらすじ
結婚30年、仲睦まじく暮らしていたはずの妻・ヨシ子が、「お醤油を買いに行く」と言って出て行ったきり帰ってこない。夫の康は、妻を探し回るうちに、自分が妻のことをほとんど知らなかったことに気づきます。そして、妻が家出した理由、そして康自身の隠された過去が明らかになっていきます。
物語は、暗闇の中、目覚めたヨシ子から始まります。彼女を助けたのは、見知らぬ老女。老女は、ヨシ子に温かいおにぎりとお茶を差し出し、寄り添います。ヨシ子は、雨の中、行き場をなくしていた自分を、この老女が車に乗せてくれたことを思い出します。
SNSでも共感の声
この作品は、SNSでも大きな反響を呼んでいます。「どこにでもあるような、だからこそ共感できる」「現代アルアル。自分の気持ちのとおりに行動するのが一番」など、多くの読者から共感の声が寄せられています。
著者の野原広子さんは、過去にも『娘が学校に行きません』や『消えたママ友』など、社会問題をテーマにした作品を多数発表しており、その鋭い視点と共感力で多くの読者を魅了しています。
『うちのツマ知りませんか』は、仕事と家庭、そして自分自身の生き方について考えさせられる、現代を生きる私たちにとって、必読の作品と言えるでしょう。