「病院以外」という選択。1%未満の家族が助産院で叶えた“自分らしい出産”のカタチ
なぜ今、あえて助産院を選ぶのか?家族と助産師が紡ぐ「自然なお産」の物語
現代の出産において、病院やクリニックでの分娩が主流となる中、助産院や自宅出産を選択する家族は全体のわずか1%未満といわれています。愛知県北名古屋市にある「すこやか助産院」は、助産師歴40年の平野陽子さんと娘の智子さんが運営する、地域でも希少な存在です。2000年の開院以来、約500人もの命の誕生をサポートしてきました。なぜ、彼女たちは「助産院」という場所を選んだのでしょうか。
家族と一緒に乗り越える、自由で温かいお産の現場
助産院での出産を選ぶ理由の一つに、「家族との一体感」があります。コロナ禍に最初の出産を経験した未夢さんは、立ち会いが制限される病院とは異なり、家族全員で寄り添える環境を求めて同院を選びました。「腰をさすってくれたり、ずっと付き添ってくれたり。その安心感が何より心強かった」と当時の心境を語ります。ここでは、座ったり横になったりと、妊婦さんが最もリラックスできる姿勢で出産に臨むことができます。
「安全」を最優先に。助産師が担う重要な見極めとは
「助産院は家族が集まる場所であり、自分の体の声に耳を傾けられる場所」と語るのは、現役助産師でありながら今回こちらでお産を迎えた加藤采那さんです。しかし、助産院での出産は医師が立ち会わないため、安全管理には細心の注意が払われます。平野陽子さんは「正常な経過を見通せるか、緊急時にどう判断するか。その見極めを誤らないことが、私たち助産師の最も重要な役割です」と強調します。病院と密に連携しつつ、自然なお産の良さを守り続ける彼女たちの姿勢は、現代の出産における一つの選択肢として、多くの家族に寄り添い続けています。