「日の丸を傷つけたら罰する」国旗損壊罪、なぜ刑事法学者たちは猛反対しているのか?
「感情で人を罰するのは危険」148人の研究者が異例の声明を発表
今、ネットやニュースで話題となっている「国旗損壊罪」の創設。日本の国旗である「日の丸」を傷つけた場合に処罰するこの法案ですが、これに対して全国の刑事法学者148人が連名で「制定してはならない」という反対声明を出したことをご存知でしょうか。2026年7月9日、東京で行われた記者会見には多くのメディアが集まり、なぜこれほどまでに多くの法律のプロが危機感を抱いているのか、その理由が明かされました。
そもそも、なぜ今の日本には「外国の国旗」を傷つける罪しかないの?
現在、日本の法律には「外国国章損壊罪」という、他国の国旗などを汚したり壊したりすることを罰する法律が存在します。今回の法案を推し進める側は「外国の国旗は罰せられるのに、自国の国旗が罰せられないのはアンバランス(不平等)だ」と主張しています。しかし、学者たちはこの考え方こそが「大きな誤解」だと指摘しています。そもそも外国の国旗を罰する罪は、外交トラブルを避けるための特別な目的で作られたものであり、決して「国民感情」を守るためのものではないという歴史的背景があるのです。
「不快だから逮捕」がまかり通る社会に?懸念される悪用のリスク
声明を発表した教授らは、「感情を理由に処罰規定を作るのは極めて危険だ」と強く警鐘を鳴らしています。もし「不快だ」「気分が悪い」という個人的な感情を法律の根拠にしてしまうと、世の中のあらゆる主張が罰の対象になりかねないからです。さらに彼らが危惧しているのは、この法律が「ヘイト行為の道具」として悪用されるリスクです。もしデモ現場などで日の丸が掲げられ、それに対して抗議する人が現れた場合、この法律を悪用すれば抗議する側を警察に逮捕させるという使い方も可能になってしまいます。これでは、かえって日本が国際的な信頼を失い、「外交関係を危うくする」というのが学者たちの主張です。
慎重な議論が求められる「国家の象徴」を巡る問題
今回の法案は衆議院を通過し、現在参議院での審議が進められています。SNS上でも賛否が真っ二つに分かれるこのテーマですが、刑事法学者たちが訴えているのは「感情的にならず、時間をかけて冷静に議論してほしい」という切実な願いです。私たちにとって身近な「日の丸」というシンボルを、どのような法律で守るのか。あるいは、どこまでを表現の自由として認めるのか。私たちの未来にも関わる重要な議論として、今後の成り行きを注視する必要があります。今回の件について詳しく知りたい方は、