「もう勝てない」と諦めていた?歴史作家が挑んだ“タイムループ×関ヶ原”が予想外に面白い理由
時代小説に新しい風を吹き込み続ける作家・白蔵盈太(しろくらえいた)氏。コミカルな筆致で人気の彼が今回挑んだのは、なんと「タイムループ×関ヶ原の戦い」という大胆な設定でした。新作『大谷吉継の終わらない関ケ原』は、なぜ生まれたのか?その裏側には、切実な「ネタ切れ」という本音と、歴史ファンも納得の深い狙いがありました。
「勝敗が見えていた」関ヶ原が、タイムループで劇的に変わる?
これまで数々の歴史テーマを扱ってきた白蔵氏ですが、実は「関ヶ原だけは書くまい」と心に決めていたそうです。その理由は、あまりにも徳川家康が用意周到すぎて、「勝負が最初から決まっているからドラマにならない」という冷めた視点があったから。そんな彼に、出版社から「ぶっ飛んだアイデアを」というリクエストとともに持ち込まれたのが「タイムループ」という切り札でした。「この設定なら関ヶ原が面白くなる!」と直感したことで、執筆のスイッチが入ったといいます。
なぜ主人公は大谷吉継なのか?「組織」の限界と中間管理職の哀愁
タイムループの主人公を誰にするか。当初は「名もなき侍大将」という案もあったそうですが、白蔵氏はそれを却下しました。理由は、「下っ端がどれだけ足掻いても、巨大な組織は変わらない」という会社員なら誰もが共感するシビアな現実があったからです。そこで選ばれたのが、石田三成を動かせる立場であり、かつ苦悩する人間味が魅力の大谷吉継。何度もループを繰り返しながら、組織の敗因を排除しようと孤軍奮闘する姿には、まさに現代の中間管理職の悲哀が投影されています。興味を持った方は、ぜひ