プーチン氏の択捉島訪問に広がる衝撃 元島民たちのやり場のない怒りと悲しみ
なぜ今なのか?元島民から上がる落胆と憤りの声
ロシアのプーチン大統領が北方領土の択捉島を訪問したというニュースが、日本国内、特に元島民の方々に大きな衝撃を与えています。ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、故郷への墓参りさえままならない状況が続いている中での今回の訪問に、現地・北海道根室市からは「なぜ択捉島に……」といった悲痛な叫びが上がりました。
「もう返ってこないのでは」 返還交渉への絶望感
報道でこのニュースを知った元島民からは、領土返還交渉の先行きを案じる声が絶えません。終戦後に引き揚げ船の中で生まれたという佐藤寿郎さん(78)は、「領土返還交渉がうまくいっているようには感じられず、もう返ってこないのではないかという思いが強くなる」と、長年の願いが遠のいていくことへの深い絶望感を口にしました。
積み上げてきた交流の歴史が否定される事態に
北方領土の元島民と現在のロシア側住民は、これまで「ビザなし交流」を通じて信頼関係を築こうと努力を重ねてきました。千島歯舞諸島居住者連盟の森弘樹専務理事は、今回の訪問がこれまでの民間レベルでの取り組みを「無にしかねない」と強く非難しています。ウクライナ侵攻以降、中断されている交流が再開される見通しも立たない中、今回の強硬な姿勢は日露関係をより混迷させる事態となっています。
市長も憤り「原点の地として返還を強く願う」
この事態を受け、根室市の石垣雅敏市長は「81年間北方領土返還を訴えてきた原点の地として、市民の思いを逆なでするものであり強い憤りを感じる」とコメントを発表しました。元島民の方々の高齢化が進む中、墓参りの再開や平和条約交渉の停滞は深刻な問題です。政府には、この切実な願いを重く受け止め、今後の外交努力が強く求められています。