高齢化率56%の集落に若者が集まる理由。鹿児島県姶良市・漆地区の「元気な高齢者」が起こす奇跡
「おかえりなさい」の温かさ。人口減少が進む里山に新しい風
鹿児島県姶良市蒲生町の山間部に位置する「漆(うるし)地区」。ここには、一見すると都会からは遠い、のどかな里山の風景が広がっています。しかし、この地区はいま、移住者から熱い注目を集めているスポットであることをご存知でしょうか。かつては400人以上いた人口も、現在は181人にまで減り、高齢化率は56%と非常に高い水準です。それでもなお、この場所に若者や家族連れが惹きつけられるのには、明快な理由がありました。
「子どもは宝」という精神が、移住の決め手になった
移住者が口を揃えて語るのは、漆地区の人々の「人間味あふれる温かさ」です。地域の子どもたちを「自分たちの宝」として見守る高齢者たちの姿は、都会のドライな人間関係に疲れた世代にとって、眩しいほどの魅力に映ります。登下校中の子どもたちと交わす「きよちゃん」「また明日ね」という日常の挨拶。そんな何気ないコミュニケーションが、世代を超えた深い信頼関係を築いています。実際にこの2年間で3家族が移住を決めるなど、人と人との繋がりが、限界集落の危機を「活気あるコミュニティ」へと塗り替えようとしています。
「高齢者がかっこいい」場所が、未来を切り拓く
漆地区に惹かれて移住を決意した佐藤絵梨さんのように、ここの高齢者たちの生き様に触れて「かっこいい」と感じる人が増えています。畑仕事に励み、地域活動に汗を流し、子どもたちに笑顔を届ける。そんな「等身大の力強さ」こそが、漆地区が持つ本当のブランドなのかもしれません。鹿児島県内各地の取り組みを紹介する