「ビデオ・アートの父」の世界へ。ワタリウム美術館「没後20年ナムジュン・パイク|じゅげむ展」で見つける新しいアート体験
ただ眺めるだけじゃない。自分の「立ち位置」を探す特別な空間
今、東京・渋谷のワタリウム美術館で開催されている「没後20年ナムジュン・パイク|じゅげむ展」が、感度の高い若者たちの間で話題になっています。「ビデオ・アートの父」と呼ばれるナム・ジュン・パイクの没後20年を記念したこの展覧会は、単にモニターを眺めるだけの展示ではありません。会場に足を踏み入れると、まるで「森」のような空間が広がり、いたるところにテレビモニターが点在しています。作品を真正面から見るのではなく、自分自身で見やすい場所を探し、覗き込んだり首をかしげたりしながら鑑賞する体験は、まさにアートの一部になったような没入感を味わえます。
森の中で感じるジョン・ケージとヨーゼフ・ボイスへのオマージュ
本展はワタリウム美術館が半世紀にわたり築いてきたパイクとの深い絆から生まれた作品群で構成されています。特に2階の「森」のセクションでは、生きた植物とモニターが融合した《ケージの森/森の啓示》が圧巻です。これはパイクが深い親交のあった作曲家ジョン・ケージに捧げた作品で、生きた植物を使うことで彼の自然への愛と偶然性を表現しています。さらに奥へと進むと、パイクが参禅した経験を反映した《永平寺讃歌》や、彼が敬愛したアーティスト・ヨーゼフ・ボイスを追悼した《ボイス》など、歴史的な名作が並びます。映像というテクノロジーの中に、禅の心や追悼の物語が溶け込んだ不思議な世界観は、今の時代だからこそより深く心に響くはずです。詳細なアクセス情報は、