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堺市で運営しているプログラミングスクールADVANCEの教室の様子

高等教育機関におけるプログラミング教育のための計算論的思考アプローチに関する系統的レビュー

📌 この記事の結論

  • 高等教育機関におけるプログラミング教育でのCTの利用は2010年から始まり、特に2017年以降、研究が急速に増加しています。
  • CT導入の主要なアプローチは「コース設計」であり、ゲーム、スプレッドシート、ロボットなどの多様なツールが活用されています。
  • CTアプローチは学生の問題解決能力、アルゴリズム的思考、プログラミングへのモチベーションを大幅に向上させることが示されています。

1. 計算論的思考(CT)とプログラミング教育の未来

計算論的思考(CT)は、プログラミング教育において問題解決能力とアルゴリズム的思考を向上させる強力なアプローチとして注目されています。本稿では、高等教育機関(HEI)におけるCTの活用に関する系統的レビュー論文の知見を解説します。プログラミング学習が多くの学生にとって難しい課題である中、CTは問題の抽象化、アルゴリズム設計、そして具体的なプログラミングへと繋がる思考プロセスを提供します。このレビューは、CTがHEIのプログラミング教育にどのように導入され、どのような成果をもたらしているかを明らかにします。

2. 紹介する論文の概要

📄 論文情報

タイトル A Systematic Review of Computational Thinking Approach for Programming Education in Higher Education Institutions
著者 Friday Joseph Agbo, Solomon Sunday Oyelere, Sunday Adewumi, Jarkko Suhonen
掲載誌 19th Koli Calling International Conference on Computing Education Research (Koli Calling ’19), November 21-24, 2019, Koli, Finland. ACM, New York, NY, USA.
研究対象 高等教育機関(HEI)の学生・教師
研究期間 2010年以降の研究を対象(論文発表は2019年)

研究の目的

本研究の目的は、高等教育機関(HEI)におけるプログラミング教育に計算論的思考(CT)アプローチがどのように活用されているかを系統的に調査することです。

研究の方法

この研究では、系統的文献レビュー手法が採用されました。以下の手順で論文の収集と分析が行われました。

  1. IEEE Xplore、ACM、ScienceDirect、Springer Linkのデータベースで、"computational thinking"、"problem-solving"、"programming"、"computer science"、"undergraduate"などのキーワードを用いて文献検索を実施しました。
  2. 検索で得られた161件の論文を、タイトル、キーワード、要約に基づいてスクリーニングしました。
  3. さらに、論文が査読済みであるか、実際の教育現場でのツール利用やソリューション評価、あるいはCTを探求する研究であるかなどの包含基準と除外基準を適用しました。
  4. 最終的に、高等教育機関でのCTアプローチを用いたプログラミング教育に焦点を当てた33件の論文をレビュー対象として選定し、分析を行いました。

3. 研究結果のポイント3つ

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本系統的レビューから、高等教育機関における計算論的思考(CT)の利用状況とその効果に関して、いくつかの重要な知見が明らかになりました。

✅ ポイント1:CTアプローチの利用は2010年から始まり、近年急速に増加

高等教育機関(HEI)におけるプログラミング教育でのCTアプローチの利用は、2010年に最初の研究が報告され、特に2017年と2018年に研究論文数が急増していることが示されました。これは、CTの重要性に対する認識が高まり、教育現場での導入が活発化していることを示唆しています。

✅ ポイント2:主要な導入アプローチは「コース設計」、多様なツールが活用

多くの研究では、CTをプログラミング教育に導入するために「コース設計」アプローチが採用されていました。また、特定のツールとしては、「Scratch」のようなビジュアルプログラミング言語、Light-Botのような教育ゲーム、Microsoft Excelスプレッドシート、MATLAB、ロボットなどが利用され、学生の問題解決能力やアルゴリズム的思考の育成に役立てられています。これにより、抽象的な概念をより具体的に理解するための多様な学習機会が提供されています。

✅ ポイント3:学生の「問題解決能力」と「プログラミングへのモチベーション」が向上

CTアプローチは、学生の問題解決スキル、アルゴリズム的思考能力、およびプログラミング学習への興味と自信を向上させることが報告されています。特に、プログラミング経験のない初学者と経験者との間の学習ギャップを埋める効果も確認され、「Scratch」のようなビジュアルプログラミング言語を用いた導入が理解を助けることが示唆されています。これにより、学習者の初期段階でのつまずきを減らし、学習意欲を高めることに貢献しています。

4. ADVANCEの現場から見た実感

堺市で運営しているプログラミングスクールADVANCEの教室の様子
▲ ADVANCEの教室で学ぶ様子(イメージ)

堺市南区のプログラミングスクールADVANCEで実際にプログラミングを教えている講師としての意見は以下の三つです

🎮 現場で感じる3つの変化

論理的思考力の顕著な向上

Scratch」や「Roblox Studio」のようなビジュアルプログラミング環境で、子どもたちが問題を分解し、順序立てて解決策を考える過程を日常的に目の当たりにします。論文で指摘される「問題解決スキル」は、まさにADVANCEで子どもたちがゲーム制作を通じて磨いている能力だと実感しています。

プログラミング学習への初期障壁の低減

Scratch」を初めて触る子や、まだHTML/CSSJavaScriptのような本格的なテキストコーディングに慣れていない子でも、CTアプローチ(特にビジュアルプログラミング)は、「プログラミングは難しい」という先入観を取り除き、学習への好奇心を高めてくれます。これにより、その後の「Unity (C#)」や「Python」といったより高度なプログラミング言語への移行がスムーズになります。

「失敗」を通じた学びの促進

ゲーム制作では、思った通りに動かないことが頻繁にあります。これは論文でいう「デバッグ」の過程であり、子どもたちは試行錯誤を通じて、なぜエラーが起きるのか、どうすれば解決できるのかを考えます。このプロセス自体がCTの重要な要素であり、成功体験だけでなく「失敗」からも学びを深めることができます。

高等教育機関での研究結果は、子ども向けプログラミング教育であるADVANCEの現場でも、計算論的思考が学習効果とモチベーションの両面で非常に重要であることを強く裏付けています。

5. 保護者の方へ:家庭でできること

計算論的思考は、プログラミング学習だけでなく、日常生活の問題解決にも役立つ普遍的なスキルです。ご家庭でCTを育むために、以下のことを試してみてはいかがでしょうか。

🏠

日常生活で「問題解決」の機会を

お子さんが日常で直面する小さな問題(例:おもちゃの片付け方、お料理の手順、友達との遊びのルール決めなど)に対し、「どうすれば解決できるかな?」「他にどんな方法があるかな?」と一緒に考える機会を設けてみましょう。これは、CTの分解やアルゴリズム的思考の練習になります。

📅

論理的な「なぜ?」を問いかける習慣

お子さんの行動や考えに対して、「なぜそう思ったの?」「なぜそれを選んだの?」と優しく問いかけることで、お子さんは自身の思考プロセスを言語化し、論理的に考える力が育まれます。これはデバッグ能力や批判的思考に繋がります。

👏

「失敗しても大丈夫」という安心感を

プログラミングは試行錯誤の連続です。お子さんが何か新しいことに挑戦して失敗した際、「失敗は学びのチャンスだよ」「次はどうしたらもっと良くなるかな?」とポジティブな声かけをすることで、挑戦する意欲と粘り強さを育むことができます。

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堺市南区のプログラミングスクールADVANCEでは、Scratchからはじめて、Roblox、Unity(C#)まで段階的に学べます。

研究で効果が実証されたプログラミング教育を、ゲーム制作を通じて楽しく体験できます。

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6. 参考文献

  1. Agbo, F. J., Oyelere, S. S., Adewumi, S., & Suhonen, J. (2019). A Systematic Review of Computational Thinking Approach for Programming Education in Higher Education Institutions. In 19th Koli Calling International Conference on Computing Education Research (Koli Calling ’19), November 21-24, 2019, Koli, Finland. ACM. https://doi.org/10.1145/3364510.3364521
  2. Wing, J. M. (2006). Computational Thinking. Communications of the ACM, 49(3), 33-35.
  3. Denning, P. J., & Tedre, M. (2019). Computational Thinking. The MIT Press.
  4. Barr, V., & Stephenson, C. (2011). Bringing Computational Thinking to K-12: What is the role of the computer science community. ACM Inroads, 2(1), 48-54.
  5. Kazimoglu, C., Kiernan, M., Bacon, L., & Mackinnon, L. (2012). A serious game for developing computational thinking and learning introductory computer programming. Social and Behavioral Sciences, Procedia, 1991–1999.
  6. Philip, M., Renumol, V. G., & Gopeekrishnan, R. (2013). A Pragmatic Approach to Develop Computational Thinking Skills in Novices in Computing Education. In IEEE International Conference in MOOC, Innovation and Technology in Education (MITE), Jaipur, India.
  7. Yuen, T., & Robbins, K. A. (2015). A Qualitative Study of Students' Computational Thinking Skills in a Data-Driven Computing Class. ACM Transactions on Computing Education (TOCE), 14(4).
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この記事を書いた人

ADVANCE 講師

堺市南区のプログラミングスクールADVANCEで、Scratch・Roblox・Unity等を用いたプログラミング教育を担当。子どもから大人まで幅広い年齢層への指導経験を持つ。