大阪に迷い込んだ奈良の鹿、奈良県は受け入れを拒否!越県移送の難しさが浮き彫りに
奈良公園から来たと思われるシカが大阪市内で発見され、話題となっています。しかし、奈良県はシカの受け入れを拒否する姿勢を明確にしました。この問題は、天然記念物の保護、越県での動物の移送に関する法的な課題、そしてシカの頭数管理といった、様々な問題が複雑に絡み合っています。
奈良県知事の発言:天然記念物指定の範囲と越県放獣の原則
奈良県の山下真知事は記者会見で、奈良公園のシカが文化財保護法上の天然記念物として指定されているのは、旧都祁村と旧月ヶ瀬村を除く奈良市内全域である点を強調しました。つまり、一度エリアから出たシカは天然記念物としての保護対象外となるのです。
山下知事はさらに、「全国的な運用として、ある都道府県で捕獲したものを他の地域で放獣した例は確認されていない」と述べ、越県でのシカの移送は原則として認められないという県の立場を明確にしました。シカが農林業や人身に被害を与える可能性も考慮し、慎重な判断が必要であると説明しています。
大阪市長の反応:奈良県の判断を尊重しつつ協議の可能性を探る
一方、大阪市の横山市長は、奈良県の判断を尊重する姿勢を示しつつも、シカが奈良公園から移動したルートを辿って奈良県側に「協議できないか」と伝えていたことを明らかにしました。
横山市長は、「有害鳥獣やいろんな法律がありますので、都道府県を越境しての個体の移送というのはかなわないというご見解だと思います」と述べ、法的な制約があることを理解していると同時に、奈良からのシカであるという蓋然性が必要だと考えています。
背景にある奈良のシカ問題:頭数増加と生存競争
山下知事は、今回の事態の背景には、奈良市内におけるシカの頭数が増加し、生存競争が激しくなっていることがあると指摘しました。エサを求めて遠方へ出ていくシカが増えている状況を説明し、今後の頭数管理のあり方を検討する必要性を訴えました。
今回の件は、奈良公園のシカが越境する事態は想定されていなかった新たな事態であり、突き詰めていえば、奈良市内のシカの頭数問題を解決する必要があるとの見解を示しています。
山下知事は、横山市長と大阪府の吉村知事からそれぞれ電話で連絡を受け、文書で回答したことを明らかにしました。