トランプ大統領「ホルムズ海峡は日本に任せろ」発言に専門家が警鐘!出口戦略なき強硬姿勢の内実とは?
トランプ大統領がイランに対する強硬姿勢を改めて示した演説で、ホルムズ海峡の安全確保を「日本などにやらせればいい」と発言し、波紋を広げています。この発言の背景や、今後の情勢について、元毎日新聞記者のノンフィクションライター・石戸諭氏が解説しました。
トランプ演説の核心:出口戦略の見えない強硬姿勢
石戸氏は、今回のトランプ大統領の演説について「新しいことが何もなかった」と指摘します。イランへの強硬姿勢はこれまでと変わらないものの、具体的な出口戦略が示されず、市場も大きな反応を示さなかったとのことです。
「言っていることは繰り返しで、トランプ政権がこの状況をどう落とし込むのか、具体的な道筋が全く見えない。そのため、状況がまだまだ長く続きそうだと判断されている」と石戸氏は分析します。まさに“落としどころが見えない”状況が浮き彫りになったと言えるでしょう。
「お前がやれ」と丸投げ?ホルムズ海峡の安全確保問題
特に注目されたのは、ホルムズ海峡の安全確保に関する発言です。トランプ大統領は、この問題を「日本などにやらせればいい」と述べました。石戸氏は、その背景には「ホルムズ海峡を使っている国が、安全保障もやるべきだ」というトランプ氏の考え方があると指摘します。
「アメリカはホルムズ海峡をあまり使っていないので、我々は関係ないというのがトランプさんの意見」と石戸氏は説明します。つまり、日本や中国、韓国といった利用国が自ら安全を確保すべきだというスタンスです。
しかし、日本が自衛隊を派遣することには現実的な難しさがあります。石戸氏は「普通に考えたらアメリカとイスラエルが始めた攻撃ですからね。それまでは安全に通れていたわけだから、それを回復させる義務は基本的にはアメリカとイスラエルにあるだろう」と、責任の所在について疑問を呈しています。
停戦交渉の鍵はアメリカ側にある?
一方、イラン側は交渉の余地を残す姿勢を見せています。イランのペゼシュキアン大統領は、アメリカとイスラエルの攻撃停止が状況正常化の唯一の解決策であると述べ、攻撃の再発を防ぐための保障があれば戦争を終わらせる決意を示しています。
石戸氏は、このメッセージを「攻撃をやめてくれるんだったら終わらせてもいいということは、ボールはアメリカ側に投げられている」と分析します。しかし、交渉の道のりは決して平坦ではありません。イスラエルがアメリカの条件に反発する可能性や、原油高によるアメリカ経済への影響も懸念されています。
支持率低下を懸念するトランプ大統領は、自ら出口戦略を見出さなければならない難しい状況に置かれていますが、今回の演説ではその道筋が全く見えてこなかったのが最大の問題点だと、石戸氏は繰り返し強調しました。
戦略が見えないまま強硬姿勢を繰り返すトランプ大統領。原油高とそれに伴う支持率低下という内政問題のプレッシャーの中で、今後どのような判断を下すのか、予断を許さない状況が続いています。