リカバリーウェア市場の“闇”?基準未達品が続出、医療機器協会が警鐘!
「着るだけで疲労回復!」と謳うリカバリーウェアが人気を集める一方で、その裏側では基準を満たしていない不適格品が出回っているという問題が浮上しています。日本ホームヘルス機器協会会長の山本富造氏が、その実態を厳しく指摘しました。
急拡大するリカバリーウェア市場と新設された医療機器カテゴリー
リカバリーウェアは、血行を促進し疲労回復に役立つとされ、近年市場が急拡大しています。2022年10月には、その効果効能をうたえる一般医療機器として「家庭用遠赤外線血行促進用衣」というカテゴリーが42年ぶりに新設され、これまでに180社を超える企業が参入しているといわれています。
「届出制」の隙間を突いた不適切な事例が続出
しかし、一般医療機器は事前の審査プロセスがない「届出制」であるため、この隙間を突いた不適切な事例が相次いでいます。山本会長によると、以下のような問題が多数報告されているとのことです。
- 臨床試験の不備:倫理委員会の未設置や、定められた被験者数の逸脱
- データの不正利用:臨床試験データの使い回しや、安全性試験データの不足
- 管理体制の欠如:ロット番号の不記載など、医療機器としての管理がなされていない製品の流通
昨年11月には、非会員企業による48万着の大規模な自主回収事案も発生しており、山本会長は「このまま放置すれば、日本の医療機器に対する信用失墜や、消費者からの苦情多発を招く可能性が極めて高い」と危機感を訴えています。
なぜリカバリー「ウェア」は「医療機器」なのか?
そもそも、なぜリカバリーウェアが医療機器として扱われるのでしょうか?それは、「疲労が回復する」「血行が良くなる」「筋肉のコリがほぐれる」といった効果効能を広告などでうたう場合、薬機法(医薬品医療機器等法)の規制をクリアする必要があるからです。
一定の基準をクリアした製品は、国への届出の上で、安全性と一定の品質が担保された「一般医療機器(クラスI)」として販売でき、定められた効能効果をうたうことができます。
「リカバリーウェア」という曖昧な表現と参入障壁の低さ
しかし、市場の急拡大に伴い、基準未達の製品も混在し、消費者が混乱する状況も生まれています。また、「リカバリーウェア」という呼称自体には明確な使用制限がなく、非医療機器であってもそう名乗ることが許されているため、消費者は何が医療機器で何がそうでないのか判断しづらい状況です。
絶好の商機とあって、大小のアパレルメーカーも多数参入する状況ですが、そのなかには「医療機器」を扱わないメーカーも存在します。日本では、自社ブランドの医療機器の市場への出荷・販売は、医薬品医療機器等法で規制されており、製造販売業の許可・登録・承認を得る必要があります。
今回の問題を受け、日本ホームヘルス機器協会は、基準未達の製品の排除と、消費者への正しい情報提供を強化していく方針です。「医療機器」として販売される製品は、安全性と品質がしっかりと担保されていることが重要です。消費者は、購入前にメーカーの情報を確認し、信頼できる製品を選ぶように心がけましょう。