イラン情勢が商社に追い風?大手5社、今期は過去最高益も…その裏で変化する競争力
ホルムズ海峡の緊張高まりを受け、エネルギー価格が高騰。この状況が、日本の大手商社にとって思わぬ追い風になる可能性があります。2027年3月期(今期)の純利益予想が発表され、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事の5社全てが増益を見込んでいます。
資源ビジネスが好調!三菱商事が1兆円超えを目指す
特に、資源ビジネスに強い三菱商事は、なんと1兆1000億円という過去最高益を計画しています。カナダのLNG事業の稼働や、銅価格の上昇などが大きく貢献。中西勝也社長は、中東情勢による原油高騰を一時的なものとしながらも、「追い風は取り込んでいきたい」とコメントしています。
2022年のウクライナ侵攻時にも、資源価格の高騰で三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事の4社は記録的な利益を上げました。今回のイラン情勢も、同様に資源を多く扱う商社にとっては大きなチャンスとなりそうです。
消費財に強みを見せる伊藤忠、資源高の影響は?
一方で、伊藤忠商事は少し状況が異なります。近年、「利は川下にあり」というスローガンを掲げ、ブックオフグループホールディングスへの出資など、消費者に近い分野を強化してきました。そのため、資源価格の下落時には存在感を発揮しやすい反面、今回の資源高の影響は比較的受けにくいと考えられています。
石井敬太社長は、資源系事業の弱さを認めつつ、今後は川上・川中の事業にも進出していく意向を示しています。
資源高の裏側…化学品事業への影響と非資源事業の動向
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のアナリストは、原油価格の上昇が資源ビジネスにはプラスに働く一方で、化学品事業にはコスト増として跳ね返る可能性があると指摘しています。また、住友商事がイラクで展開する自動車流通事業など、非資源事業の動向にも注目が必要です。
イラン情勢は、商社にとって大きなチャンスであると同時に、リスクも孕んでいます。今後の動向から目が離せません。