川内優輝、MGCで見せた36歳の底力!パリ五輪代表選考レースを振り返る
埼玉県で公務員として働きながら“市民ランナーの星”として注目を集め、プロに転向した川内優輝選手(36歳)。昨年秋のパリ五輪代表選考レースMGCで、その実力を改めて証明しました。今回は、MGCでの川内選手の走り、そして今後の戦略について深掘りしていきます。
MGCでの劇的なレース展開
昨年10月15日に行われたMGC。川内選手は序盤から果敢に飛び出し、雨の中25キロ地点では2位以下に40秒以上の差をつけるという驚きの展開を見せました。しかし、終盤35キロ過ぎで後続に追いつかれ、最終結果は2時間9分18秒の4位。パリ五輪内定にはわずか12秒届きませんでした。
「25~30キロくらいのときには、このまま逃げ切れるかもしれないと思ったんですけどね。最後はパリ五輪に対する気持ちの差が出たのかな。周りの選手は何としてもオリンピックに行きたいと思っているなか、私は心のどこかでMGCで自分らしい“いい走り”ができていたことに満足してしまっている部分がありましたから。」と川内選手はレース後の心境を語っています。
経験が生きた戦略
近年、マラソンは高速化が進んでいます。MGCには61人が出走しましたが、川内選手の自己ベストは2時間7分27秒と、出場選手の上から14番目。戦前は厳しい評価も多くありました。しかし、川内選手が主役を担えたのは、タイムではなく順位を競うレース形式だったからです。
フルマラソン129回完走という圧倒的な経験が、川内選手の戦略を支えました。「35キロまで私が先頭に立てていたのは、若い選手が多く、ついていく勇気がなかったというのが半分くらいで、あとの半分は私のことを『どうせ、どこかで落ちてくるだろう』となめていたからだと思います(笑)」と、川内選手は自身の強さの秘訣を語っています。
今後の戦略は?
MGCの結果を受け、川内選手は今後どのような戦略を描いていくのでしょうか。オリンピックイヤーの今年、川内選手のさらなる活躍に期待が高まります。
取材・文:栗原正夫/撮影:殿村誠士/
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