「6月に詰む」と言われた日本のナフサ危機…7月回復は本当?専門家が警鐘を鳴らす「3つの不安」
一時的な調達回復の裏側にある「本当のエネルギー危機」とは
「7月には前年並みの調達に戻る」――。中東情勢の悪化により、一時はガソリンや化学原料となるナフサの供給危機が叫ばれましたが、高市早苗首相は自身のX(旧Twitter)で、7月の調達に目途が立ったことを報告しました。一見、エネルギー不足の不安は解消されたように見えますが、専門家からは「これで安心するのは早い」という厳しい指摘が相次いでいます。なぜ政府の発表と専門家の見方にこれほどの温度差があるのでしょうか。
専門家が指摘する「3つの懸念」とは?
資源エネルギー庁の委員も務めるコネクトエネルギー合同会社代表の境野春彦さんは、現状を「安心できる状況ではない」と分析しています。まず1つ目の懸念は、アメリカ産原油の比率が高すぎることです。アメリカ産は「軽質油」が多く、日本で不足している重油を製造するには中東産と混ぜる必要があります。つまり、単に輸入量を増やすだけでは解決しないという構造的な問題があるのです。2つ目の懸念は、供給の持続性です。今回回復したのは「7月の単月分」の目途に過ぎず、8月以降の調達は依然として見通しが立っていません。政府が「2028年まで大丈夫」と強調するのは、あくまで「備蓄を取り崩し続けた場合」という非常に限定的な前提に基づいたものに過ぎないのです。
私たちの生活にどう影響する?今後の見通し
政府は備蓄放出で時間を稼ぐ戦略をとっていますが、現場の石油元売り各社からは「先が見えない」という悲鳴に近い声も聞こえてきます。特に、漁業や物流など、重油を必要とする産業への打撃が懸念されており、今後の調達状況次第では、再びガソリン価格の急騰や物価への影響が及ぶ可能性も否定できません。中東情勢というコントロールできないリスクを抱える日本にとって、エネルギー問題はまさに「綱渡りの状況」が続いています。今後も政府の発表だけでなく、実際の原油調達状況や国際情勢に注視していく必要がありそうです。
今回の件についての詳細な資料は、政府の公開する