なぜポテチが白黒に?「ナフサ危機」で私たちの生活がじわじわ追い詰められる理由
「量が足りている」のに値上げ?政府と現場の深刻なズレ
ホルムズ海峡の緊張緩和など、戦闘終結に向けた動きが報じられていますが、私たちの財布に直結する「物価」がすぐに落ち着くわけではありません。最近、カルビーのポテトチップスのパッケージが白黒デザインになったことが話題になりましたが、これは単なるデザイン変更ではなく、深刻な「ナフサ危機」の影響によるものです。経済産業大臣は「ナフサの総量は足りている」と主張していますが、専門家の松方正彦氏は、たとえ供給が安定しても「高値で仕入れたコスト分を価格に転嫁せざるを得ない」と警鐘を鳴らしています。
スーパーの「真っ白」化は始まりにすぎない
ナフサは石油化学製品の原材料であり、私たちの生活は石油文明といっても過言ではないほどこれに依存しています。松方氏によると、今後はポテトチップスの袋だけでなく、スーパーのお寿司や惣菜のトレーも、カラー印刷や着色を控えた「真っ白」なものに変わっていく可能性があります。インクやプラスチック素材のコストを少しでも削減しなければ、企業が利益を維持できなくなるからです。さらに、私たちの身近なおむつやマスク、シャンプーの詰め替えパウチ、薬局で並ぶ医薬品なども値上げの圧力を避けることは難しいのが現状です。
複雑なサプライチェーンが招く「予測不能」な物価上昇
石油化学製品のサプライチェーンは、私たちが想像するよりもはるかに長く、複雑です。そのため「いつ、どの製品が、どれくらい高くなるのか」を完全に予測することは非常に困難です。今回のナフサ問題は、特定の業種だけが困る話ではありません。建築資材の遅延から毎日の食品パッケージまで、あらゆる分野で「コストカットによる品質の変化」や「価格上昇」が同時多発的に発生するリスクを孕んでいます。ホルムズ危機の余波は思った以上に長く、私たちの生活スタイルそのものを見直す必要に迫られているのかもしれません。