「読む順番で結末が変わる」道尾秀介の傑作『I』が、ただの仕掛け小説じゃない理由とは?
あなたは、物語の結末を「自分の選択」で変えてみたいと思ったことはありませんか?今、SNSや書評サイトで大きな話題を呼んでいるのが、道尾秀介さんの小説『I(アイ)』です。川奈まり子さんも絶賛するこの作品は、「結末が変わる」という斬新なギミックで注目を集めていますが、実はその裏に隠された「物語の本質」が読者の心を強く掴んでいます。
雨の匂いとギリシャ神話が導く、深い人間ドラマの深淵へ
本書は「ペトリコール(雨の降り始めの匂い)」と「ゲオスミン(雨上がりの土の匂い)」という、二つの章で構成されています。一見すると、ただのミステリー作品のように思えるかもしれません。しかし、物語にちりばめられたガラス細工や海、洞窟といった小道具や、ギリシャ神話に通じる登場人物たちの背景を知るにつれ、読者は驚くべき緻密な計算に出会うことになります。無戸籍児や若年層の自殺といった現代の切実な社会問題を真正面から描いた、骨太な人間ドラマとしての完成度が非常に高いのです。
ただの「ゲーム」では終わらない。再読必至の鮮烈な読書体験
「読む順番で結末が変わる」というキャッチコピーに惹かれて手に取った読者の多くが、読み進めるうちに、ギミックを超えた「物語の美しさ」に魅了されています。特に、物語の最後に浮かび上がる「ある風景描写」の鮮烈さは、読後に忘れられない余韻を残すはずです。花言葉に隠された意味を知ったとき、読者は物語と深いところでリンクするような感覚を味わうでしょう。単なる情報の消費ではなく、「知の冒険」を体験できる一冊です。
前作『N』ファンも必見!道尾秀介の世界に浸る至福の読書時間
道尾秀介作品といえば、前作の『N』も驚きの叙述トリックで読者を翻弄しました。『I』と『N』はどちらもギミックに溢れていますが、読み終えた後の読後感は大きく異なります。物語を「体験」として味わいつくしたいという方は、ぜひ手に取ってみてください。きっと、斜め読みなんて到底できない、ページをめくる手が止まらない没入感を味わえるはずです。もし気になった方は、集英社の公式サイト(