89歳の挑戦。被爆者・八幡照子さんが「英語」と「AI」で未来へ継ぐ、81年前の広島の記憶
8歳で見た「地獄」を自分の言葉で。英語学習を始めた理由
8月6日、広島に原子爆弾が投下されてから81年が経ちました。当時8歳で被爆し、現在89歳となる八幡照子さんは、今もなお自身の被爆体験を世界へ語り続けています。彼女が語る記憶は、あまりに凄惨です。「あおむけになってうめいている人。泣き続ける子ども。むせかえるやけどのにおい」。当時通っていた小学校の校庭が、2000体を超える遺体を焼く「火葬場」と化していた光景は、今も八幡さんの心に深く焼き付いています。そんな彼女が、80歳を前にして始めたのは「英語での語り」でした。通訳を介さず、自身の声と言葉で核兵器の残酷さを伝えたいという強い思いが、彼女を突き動かしています。
「Shutup」と言われても諦めない。未来へ届けるためのAI活用
英語は全くの初心者だったという八幡さん。カフェで一生懸命に英語を練習していて「うるさい(Shutup)」と言われてしまうこともありましたが、決して歩みを止めることはありませんでした。さらに、彼女は自身の体験を未来へ残すために、最新技術である「AI(人工知能)」を活用した取り組みにも挑戦しています。広島市が取り組む「被爆証言応答装置」のために、八幡さんの体験談を英語で収録。これにより、たとえ八幡さんが直接語ることができない未来でも、彼女自身の声と記憶が対話形式で後世に伝えられるようになります。
「あと10年は伝えたい」。核なき未来への願い
「命ある限り、原爆の真実を伝えたい」。そう語る八幡さんの願いは、シンプルで力強いものです。AIに「あなたの思う平和とは?」と問いかけると、彼女は「世界のみんなが幸せに暮らすこと」と答えます。8歳で経験した悲劇を二度と繰り返さないために、彼女は「あと10年は元気で伝えたい」と意欲を燃やしています。被爆者の高齢化が進む今、八幡さんのような「当事者の声」をテクノロジーで未来へつなぐ活動は、より一層重要性を増しています。私たちも、平和のバトンをどのように受け継いでいくべきか、改めて考える必要がありそうです。
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