「見た目の変化」は我慢しなくていい。がん治療のQOLを支える「アピアランスケア」とは?
がん治療中の「見た目の悩み」は、痛みよりもつらい?
がん治療と聞くと、治療そのものの痛みや副作用をイメージする方が多いかもしれません。しかし、実際に治療を経験した方々の間で、それ以上に大きな苦痛として挙げられているのが「見た目の変化(外見症状)」です。脱毛や肌の変化、術後の傷あとなど、治療に伴う外見の変化は単なる「見た目の問題」ではありません。野澤桂子先生(目白大学教授)の研究によると、乳がん治療を受けた患者さんの苦痛度調査で、脱毛や乳房切除といった外見の変化がトップを占めるという深刻な結果が出ています。
なぜ「アピアランスケア」が今、重要視されているのか
これまでは「命に関わる治療をしているのだから、見た目のことは我慢すべき」という風潮がありました。しかし、治療しながら社会生活を送る人が増えた今、外見の悩みを抱え続けることは、外出や仕事、人付き合いを避けてしまうなど、QOL(生活の質)を大きく低下させる要因となっています。特に近年、皮膚障害が起きやすい分子標的薬が登場したことで、「見た目が変わることがつらくて治療を続けられない」というケースが問題となり、医療現場でも本格的なサポートの必要性が認識されるようになりました。
ウィッグや補整具の費用助成を活用しよう
今、国や自治体が力を入れているのが「アピアランスケア」への支援です。2018年の「第3期がん対策推進基本計画」をきっかけに、外見の変化に対する適切なケアが治療継続のための重要な施策として位置づけられました。現在では、多くの自治体でウィッグや人工乳房、シリコンパッドなどの購入・レンタル費用を助成する制度が導入されています。「見た目の変化で自分らしさを失いたくない」という願いを叶えるための公的サポートは、治療を頑張るあなたの強い味方です。お住まいの自治体の窓口や、病院の相談支援センターなどで、どのような助成があるかぜひチェックしてみてください。