「キャラソン文化は死んだ」は本当か?ZAQと調査家が語る、キャラクターソングの現在地と未来
キャラクターソング文化は本当に衰退してしまったのか?
近年のアニメ音楽業界は、アニメ文化の世界的普及に伴い大きな転換期を迎えています。人気アーティストがこぞってアニソンを担当する今、「キャラクターソング(キャラソン)文化は死滅した」という過激な声もSNSで見かけるようになりました。しかし、この説はどこまで真実なのでしょうか。アニソン界のトップクリエイター・ZAQさんと、過去16年間のキャラソン約4万9000曲を独自調査したアニソンライター・河瀬タツヤさんが、この問いに鋭く切り込みました。
データが示す「キャラソン」の意外な現状
河瀬さんが実施した膨大なデータ分析によると、キャラクターソング全体のリリース数は、実は劇的に減少しているわけではありません。2017年をピークに一度落ち着きを見せたものの、直近5年間は年間4000曲程度で推移しています。ただし、内訳には明らかな変化が。アニメ放送枠でのキャラソン採用率は減少傾向にある一方で、ゲームやメディアミックス作品でのキャラクターソングは増加しています。つまり「死滅」したのではなく、役割や消費される媒体が「アニメ単体」から「IP(知的財産)全体」へとシフトしているのが実態のようです。
ZAQが語る「キャラソン」の本質とこれからの物語
制作の最前線にいるZAQさんは、「かつてのような、キャラクターと声優が一体となって大きな会場でライブをするような熱量をまた見たい」と語ります。また、現代のトレンドである「バズり」よりも、「そのキャラクターだからこそ歌える言葉」という作品とのリンクを重要視しています。物語本編に深く関わる楽曲制作こそが、キャラソン復権への鍵になると分析。単に聴くだけでなく、キャラクターのバックボーンや物語を深掘りする「文脈」のある楽曲こそが、今後のファンを熱狂させる可能性を秘めています。
インパクトと信頼が未来を切り開く
かつてのキャラソンブームを支えたのは、いい意味での「実験的で面白い試み」でした。ZAQさんと河瀬さんは、時代のトレンドに流されすぎず、作家や制作サイドの個性を活かした「インパクトのある楽曲」が再び求められていると口を揃えます。ファンは今でも「何か面白いもの」を求めています。物語を理解し、キャラクターを愛するクリエイターと、それを信頼して世に送り出す制作環境が整えば、キャラクターソング文化は再び新たなムーブメントを起こすことができるでしょう。
今回の対談の詳細は、音楽ナタリーの特集記事にて公開されています。気になる方はぜひチェックしてみてください。