イーサリアムの未来図が明らかに!5年間の開発ロードマップ「ストローマン」を徹底解説
暗号資産(仮想通貨)の世界で注目を集めるイーサリアムが、新たな開発ロードマップ「ストローマン」を発表しました。11年以上の経験を持つ暗号資産専門家、墨汁うまい氏が、このロードマップを初心者にも分かりやすく解説します。イーサリアムの今後5年間の進化、そしてその先の未来を一緒に見ていきましょう!
ストローマンとは?イーサリアムの進化計画
「ストローマン」は、2026年2月26日にイーサリアムが公開した、今後5年間(2026年~2029年)にわたる開発ロードマップです。イーサリアムの開発目標は「年に2回の大型アップデート」であり、ストローマップにはその具体的な計画が詳細に記載されています。
このロードマップでは、イーサリアムの構成要素であるコンセンサスレイヤー、DAレイヤー、実行レイヤーのそれぞれについて、各年のアップデート目標が明確に示されています。2030年以降の長期目標も含まれており、イーサリアムの現状目標を最も分かりやすく整理したものが「ストローマン」と言えるでしょう。
以前発表された「ビームチェーン」はL1(イーサリアム本体)に焦点を当てた開発でしたが、「ストローマップ」ではビームチェーンの開発に加え、過去のアップデート(マージ、サージ、スプラージなど)も現実的なタイムラインに落とし込み、統合された包括的な計画となっています。
2026年のイーサリアム:分散性と処理能力の向上
2026年のイーサリアム開発では、分散性と処理能力の向上が大きなテーマとなります。具体的には、以下のアップデートが予定されています。
- ePBS:ブロック提案者(プロポーザー)とトランザクションを取り込む者(ビルダー)を分離し、バリデータの集中化やDeFiにおけるフロントランニング、MEV(MinerExtractableValue)などの問題に対処します。
- 高速ファイナリティ:ビーコンチェーンでより迅速なトランザクション確定を実現します。
- データ可用性レイヤーの改善:L2が書き込むブロブの読み書きを効率化します。
- ガス代シミュレーションの改善:スケーリングのボトルネックとなっているガス代の計算を最適化します。
- BALs:ブロック生成時の安定性を強化します。
- FOCIL:スロット(ブロック)時間の短縮と、プリコンファーメーション(Pre-Confirmation)の実装に必要なブロック提案方式を大幅に変更します。
- ネイティブアカウント抽象化:アカウント管理の柔軟性を高めます。
これらのアップデートにより、イーサリアムはL2へのフォーカスから、イーサリアム本体の性能向上へと大きく舵を切ることになります。
2029年へ向けて:さらなる進化
2029年に向けて、イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏も提唱する、L2中心のスケーリングからL1及びネイティブロールアップでのスケーリングへとシフトしていきます。
具体的には、以下の開発が進められます。
- ファイナリティの加速:ビーコンチェーンのファイナリティを加速させるため、現在の32スロット1エポックから8分の1の4スロットへ変更。スロットタイム(ブロックタイム)も半分に短縮され、2倍のスケーリングが期待されます。
- バリデータの役割分散:ePBSのさらに先の段階として、バリデータの役割を分散させ、分散合意の信頼性を高めます。
- データ可用性の向上:ブロブの許容量を増やし、L2のスケーリングをサポート。将来的には、分離していたブロブトランザクションを他のトランザクションと同じブロックに含めることを目指します。
- zkEVMの統合:ゼロ知識証明技術を活用し、プライバシーとスケーラビリティを両立させます。
- ネイティブロールアップ:現在のシーケンサー方式のロールアップから、より効率的なネイティブロールアップへ移行します。
- 量子コンピュータ耐性:量子コンピュータの脅威に対抗するため、ZK(ゼロ知識証明)技術を導入し、NTT(NumberTheoreticTransform)を活用して検証性を補助します。
2030年以降:ワールドコンピュータの実現
2030年以降のイーサリアム開発では、以下の目標が掲げられています。
- コンセンサスレイヤー:アテステーションの最大数設定、51%攻撃の自動リカバリ、ブロック作成の分散化、ランダムネスの強化、プロポーザーの秘匿化など、コンセンサスアルゴリズムのセキュリティと効率性を向上させます。
- データ可用性:イーサリアムL2の秒間処理能力を1GBに向上させ、プルーフ・オブ・カストディ(ProofofCustody)を導入し、データ可用性の信頼性を高めます。
- 実行レイヤー:秒間1GBのスケーリング、zkISAの導入、アカウント抽象化の証明、L1トランザクションの匿名化など、EVM(EthereumVirtualMachine)の改善とプライバシー保護を強化します。
これらの目標を達成することで、イーサリアムは「ワールドコンピュータ」としての地位を確立し、より多くの人々に利用されるプラットフォームへと進化していくでしょう。
イーサリアムの未来は明るい!「ストローマン」に込められた開発者たちの熱意と革新的なアイデアに、今後も注目していきましょう。