神奈川の老舗シネコン相次ぎ閉館!映画館は「体験」へ、時代が変化
神奈川県で、全国に先駆けてシネコン形式を導入した老舗映画館が相次ぎ閉館の危機に瀕しています。9月末に相鉄ムービル(横浜市西区)が閉館することを決定。5月には国内1号のイオンシネマ海老名(海老名市)も閉館予定です。背景には、動画配信サービスの普及や上映システムの高度化など、映画館を取り巻く環境の変化があります。
シネコンの先駆け、栄光の時代
昭和後期、映画館は配給会社系列の単館上映が主流でした。そんな中、アメリカ発祥のシネコン形式を国内に導入しようと、相鉄ムービルとイオンシネマ海老名(当時はワーナー・マイカル・シネマズ海老名)が競い合いました。
相鉄ムービルは1971年に横浜駅西口に開業し、1988年に現在の場所に移転。東宝や東急系の作品を中心に上映していました。滝沢秀之会長は「シネコンを採用していたら、国内初になっていたかもしれない」と惜しんでいます。
一方、イオンシネマ海老名の前身であるワーナー・マイカル・シネマズ海老名は1993年に開業。7番スクリーンは、映画音響規格「THX」を国内で初めて認定され、「スター・ウォーズ」シリーズの聖地としても知られていました。
閉館の背景:変化する映画館の役割
1990年代のシネコンブームを牽引した両館ですが、近年は厳しい状況が続いていました。相鉄ムービルの2024年度の全館利用客は64万6千人、うち映画館の観客はわずか13万人にとどまりました。
その主な原因は、NetflixやAmazonプライムビデオなどのサブスクリプション動画配信サービスの普及です。自宅で手軽に映画を楽しめるようになったことで、映画館に足を運ぶ人が減ってしまいました。
これに対抗するため、映画館はIMAXや4DXなどの最新上映システムを導入し、「体験」を提供する空間へと変化を迫られています。しかし、老舗の設備更新は困難で、時代の波に乗り切れずに閉館という決断に至りました。
映画館は、単に映画を鑑賞する場所から、特別な時間を過ごす場所へと進化を求められています。今後の映画館のあり方に注目が集まります。