NATO、対イラン軍事作戦に参加せず…トランプ政権への不信感、同盟国は孤立?
中東情勢の緊迫化が続く中、米国が主導するイラン軍事作戦に、北大西洋条約機構(NATO)加盟国は軒並み参加を見送りました。その背景には、トランプ米大統領のNATO軽視姿勢と、高関税政策などへの深い不信感が広がっていることがあります。しかし、イランからの反撃が拡大するにつれ、経済への影響や巻き込まれへの懸念が高まり、同盟国は難しい立場に追い込まれています。
各国首脳の批判
スペインのサンチェス首相は、出口戦略が不明瞭な作戦への参加を拒否し、「何百万人もの運命を賭けたロシアンルーレットには付き合えない」と厳しく批判しました。フランスのマクロン大統領やカナダのカーニー首相も、国際法に違反する可能性を指摘し、イランを含む全ての関係者に国際ルールの遵守を求めました。
特に注目されたのは、米国と「特別な関係」を誇る英国のスターマー首相の発言です。イラク戦争を引き合いに出し、「イラクの過ちを忘れていない」と述べ、法的根拠が曖昧なまま参戦することへの懸念を示しました。最終的に、条件付きで英軍基地の利用を米国に認めましたが、空爆による体制打倒には疑義を呈しています。
トランプ大統領の反発
トランプ大統領は、各国の非協力的な姿勢に激しく反発。「スペインとは一切関わりたくない」と発言し、英国に対しても「ウィンストン・チャーチルはいない」と米英関係の変化に失望を表明しました。こうしたあつれきは、同盟国への高関税政策や、グリーンランドの移譲要求など、トランプ政権への不信感をさらに深めています。
経済への影響と各国の対応
中東の欧州各国の軍事基地がイランからの反撃の対象となる可能性や、ガソリン価格の上昇など、市民生活への影響も拡大しています。英仏などは、イランを刺激しないよう「自衛目的」を強調しつつも、艦艇や戦闘機の派遣に動かざるを得ない状況です。
ドイツのメルツ首相は、イスラエルを支えるという歴史的責任から、イラン攻撃を擁護する姿勢を示しました。しかし、欧州としての連帯の欠如を指摘する声も上がっています。
イラン核問題の難航と今後の展望
英仏独はこれまで、イラン核問題の話し合いによる解決を試みてきましたが、成果を出すことができませんでした。メルツ首相は、軍事力を行使する構えがなかったことが失敗の一因だと述べ、無力感をにじませています。今後の中東情勢は、米国とNATOの関係、そして国際社会全体の協力体制が試される局面を迎えることになりそうです。