トヨタ、福島産ソルガム由来バイオ燃料で自動車レース「スーパーフォーミュラ」に挑戦!被災地活性化にも期待
東日本大震災と福島第一原子力発電所事故からの復興を目指す福島県大熊町で、トヨタ自動車が新たな挑戦を始めています。それは、地元のソルガムを原料としたバイオ燃料を自動車レース「スーパーフォーミュラ」で活用すること。この取り組みは、環境問題への貢献だけでなく、被災地の農業再生や新たな産業創出にも繋がる可能性を秘めています。
大熊町で育つ「未来の燃料」ソルガムとは?
大熊町の農地の一角に広がるトヨタのソルガム農園では、約3万本のソルガムが栽培されています。ソルガムはアフリカ原産の穀物で、乾燥に強く、痩せた土地でも育ちやすいのが特徴です。トヨタは品種改良を重ね、高さ6メートルにもなる品種や、収穫後にすぐに再栽培できる品種など、88種類ものソルガムを育てています。
バイオエタノールへの変貌と、レースへの応用
収穫されたソルガムは、大熊町内にある研究設備でバイオエタノールに加工されます。1トンのソルガムから約270リットルのバイオエタノールが製造できるというのです。このバイオエタノールはガソリンと混合して燃料として利用でき、燃焼時に大気中の二酸化炭素を増やさないため、脱炭素社会の実現に貢献します。
スーパーフォーミュラで実証実験!
そして4月、この福島産バイオエタノールが、栃木県で開催される自動車レース「スーパーフォーミュラ」で実際に使用されることになりました。今シーズンを通して、燃料に10%のバイオエタノールが混合され、約1万リットルが供給される予定です。これは、バイオ燃料の実用化に向けた大きな一歩となります。
被災地再生への期待と今後の課題
福島第一原子力発電所事故の影響で、大熊町の農地の営農再開率は震災前の6.7%にとどまっています。ソルガムは荒れ地でも育ちやすいため、農地再生や新たな産業創出の起爆剤となることが期待されています。大熊町長も「社会実装につながり、作付面積が拡大することを期待したい」と述べています。
今後の課題は、製造コストの削減です。バイオエタノール製造後の残りかすを肥料として活用したり、ソルガム以外の植物の利用を検討するなど、コストを下げるための研究が進められています。トヨタの挑戦は、環境問題の解決と被災地再生を両立させる、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みと言えるでしょう。