家族で防災を話し合う意味とは?専門家が語る、あの時の後悔から学ぶ備え
東日本大震災から15年。改めて家族で防災について話し合うことの重要性を、鹿児島大学の井村隆介准教授が語りました。震災の惨状を目の当たりにした井村准教授は、「自助、共助、公助」という防災の基本を覆す考え方を提唱しています。
震災現場で見た「届かない支援」
井村准教授は、東日本大震災発生から約1か月後、被災地に入りました。そこで見たものは、想像を絶する惨状でした。
(鹿児島大学・井村隆介准教授)「僕もたくさんの災害を経験していたがある意味、目の届く範囲がめちゃくちゃになっているのは見ていた。行けども行けども、車で何百キロ走っても悲惨な状況が続いてる。それは本当に衝撃的なものだったですね。人の命を守ることがすべてだと変わりましたね。命を守るために必死に僕の研究を生かさないとなと思いましたよね。」
その経験から、井村准教授は啓発活動に力を入れ、講演会や自治体の対策会議などに積極的に参加。しかし、市職員にも「もっと勉強してほしい」と率直な意見を伝えています。それだけ、強い危機感と使命感を持っているからです。
「自助」こそが最優先。共助・公助は「自助」があってこそ
防災の基本としてよく言われる「自助、共助、公助」。しかし、井村准教授は、この順番が重要だと指摘します。
(鹿児島大学・井村隆介准教授)「自助があって初めて共助、公助に回れる。自分で自分の命が守れた人しか共助も公助も絶対できないんです」
つまり、まずは自分自身が生き残るための備えをすることが、家族や地域を守ることにつながるのです。
家族で「あの時こう言ったから、きっとこうしている」と信じられる備えを
では、今日から何を考え、準備すれば良いのでしょうか?井村准教授は、「自分の今の身に置き換えること」を提案します。
(鹿児島大学・井村隆介准教授)「自分のいる環境ですね。子供がいる、お年寄りがいる、自分の家が海辺なのかどうか。寒い時に家族で困ること、断水や停電で困ること、家族で想像してみんなで話し合う。ずっと考えていると心がついていけなくなる。いつ起こるかわからない。話し合っておくことが大事。あの時、あぁ言ったからきっとこうしていると互いに信用することが大事なこと」
家族で具体的な状況を想定し、「もしもの時」の行動計画を話し合っておくことが重要です。例えば、「ここに集まろう!」という避難場所や、連絡方法などを決めておくことで、いざという時に冷静に行動できます。
東日本大震災から15年。今こそ、家族で防災について会話を始め、「あの時こう言ったから、きっとこうしている」と互いに信用できる備えをしましょう。