東日本大震災から15年:震災を知らない世代へ、栃木県が防災教育に力を入れる
2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年。あの日の激しい揺れ、そしてその後の福島第一原子力発電所の事故は、私たちの日常を一変させました。しかし、震災から生まれた世代が増え、震災の記憶が薄れていくことが懸念されています。栃木県は、この状況を受け、若い世代への防災意識を高めるため、新たな取り組みを強化しています。
震災を知らない世代の増加と防災への意識
栃木県によると、2025年10月1日現在、2011年以降に生まれた14歳以下の県民は19万6362人。これは県民全体の10.7%を占めます。震災の記憶がない子どもたちは、災害への備えをどのように考えているのでしょうか?
3月7日に宇都宮市の県防災館で行われた災害への備えを学ぶ催しでは、子どもたちが地震の疑似体験やVR防災体験を通じて、震災時の揺れを体感しました。イベントでは、大学生たちが防災に関するすごろくを使って、家族でできる備えについて呼びかけを行いました。
大学生たちの防災活動と未来への思い
国際医療福祉大学の学生防災サークルに所属する松浦さんたちは、震災当時は幼く、全てを覚えているわけではありません。それでも、周囲から語り継がれてきた経験を基に、防災への思いを強く抱き、積極的に活動しています。彼らは、宇都宮大学や佐野日本大学短期大学など、5つの大学で結成された「とちぎ学生防災サークル連絡協議会」の一員として、防災意識の向上に貢献しています。
老朽化が進む防災館、そして新たな施設への期待
1992年に開館した県防災館は、30年以上が経過し老朽化が進んでいます。近年、地震や大雨などの大規模災害が頻発していることから、県は2028年度に新たな防災教育施設を整備することを決定しました。県総合運動公園内に建設される新施設には、全国初の360度VRシアターが導入され、普段から防災を学べる場所として期待されています。
小中学校での「生きた授業」と教育面の強化
新施設の開館に向けて、県は若い世代への防災意識を強化するため、新年度から教育面に力を入れます。複数の小中学校をモデル校に選び、地域で防災に携わる人で構成されたチームを派遣し、実践的な防災教育を行います。
2月20日には、小学校での試験的な授業が行われました。県危機管理課の職員が東日本大震災や2019年の東日本台風など、県内で起きた災害の状況を紹介。宇都宮市の女性消防団員も講師として登場し、避難の指標となる警戒レベルや、家族で決めておくべき避難ルールについて説明しました。児童たちは、避難時に必要なものや、水の代わりに持っていくべきものなど、具体的なアドバイスを受け、真剣な表情で授業に参加しました。
教訓を生かし、未来へ繋ぐ防災活動
東日本大震災から15年。震災を知らない世代が増える一方で、新たな地震が頻発するこの時代において、過去の教訓を生かし、「次に備える活動」は決して終わりません。栃木県は、防災教育の強化を通じて、未来を担う子どもたちの命を守り、安全な社会を築いていくことを目指しています。