花咲徳栄、劇的逆転勝利!「2ラン遊ゴロ」の裏に岩井監督の奇策とDH制の恩恵
第98回選抜高校野球(春の甲子園)第3日、花咲徳栄(埼玉)が東洋大姫路(兵庫)との激戦を3-2で制しました。試合を決めたのは、8回に演出された劇的な“2ラン遊ゴロ”。この奇策を振り返り、岩井隆監督が勝利の背景を明かしました。
同点の8回、満塁のピンチをチャンスに変えた奇策
1-1で迎えた8回、押し出し死球で同点に追いついた直後、花咲徳栄は1死満塁のチャンスを得ます。フルカウントの場面で、岩井監督は大胆な指示を出しました。三塁走者はそのまま、一、二塁走者のみスタートを切る変則エンドランです。
打席には2番の鈴木。放たれた打球は遊ゴロ。併殺コースでしたが、スタートを切っていた二塁走者はセーフ。遊撃手は一塁へ投球し、1点をもぎ取ると同時に、二塁走者は三塁を蹴り、そのままホームイン。スライディングなしでの生還でした。
「三振はない」岩井監督が読み抜いた相手バッテリー
試合後、岩井監督は「打者が2番の鈴木だったので三振はない。ランナーは足が速い3人がそろいましたので、とにかく動いて何が何でも点を取ろうと思っていました」と、奇策の意図を説明しました。このプレーを成功させたのは、相手バッテリーに対する岩井監督の的確な分析でした。
DH制が生み出した勝利の鍵、代走の起用
さらに岩井監督は、この劇的な場面で、二塁走者の更科、三塁走者の山田を起用した点も強調しました。「DHに代わっての代走を用意している。2枚の代走が出ていますので、そこがDHの恩恵だと思います」。今大会から導入されたDH制を最大限に活用し、代走という切り札を効果的に使ったことが、勝利に大きく貢献しました。
23年前の因縁を乗り越えて掴んだ勝利
花咲徳栄にとって、東洋大姫路との対戦は23年前のセンバツでも実現していました。当時、延長15回引き分けの末、再試合でサヨナラ負けを喫した苦い記憶があります。しかし、今大会では、同じ満塁の場面で劇的な逆転勝利を飾り、因縁を乗り越えました。
岩井監督は、つなぎのバッティングで貢献した鈴木を「大きいのを打つ子ではないのですけど、つなぎのバッティングが彼の長所。それを出してくれたのがよかったと思います」と称賛しました。チーム一丸となって掴んだ勝利は、花咲徳栄にとって、春の甲子園での16年ぶりの勝利となりました。