トランプ政権の新テクノロジー諮問委、AI業界の巨頭は蚊帳の外?インフラ重視の姿勢が鮮明に
ドナルド・トランプ前大統領が設立した新たなテクノロジー諮問会議「大統領科学技術諮問委員会(PCAST)」のメンバー選定が話題を呼んでいます。注目を集めているのは、AI分野のトップであるイーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏、ダリオ・アモデイ氏らが初期メンバーに含まれていない点です。
PCASTのメンバー構成とトランプ政権の意図
PCASTの共同議長であるデービッド・サックス氏によると、初期メンバーは15人で、最大24人まで拡大可能です。しかし、現時点では、OpenAIのサム・アルトマン氏やアンソロピックのダリオ・アモデイ氏といったAI開発の最前線に立つ研究者たちは名を連ねていません。
その一方で、半導体やインフラ分野のリーダーが中心メンバーとして選ばれています。具体的には、メタのマーク・ザッカーバーグCEO、NVIDIAのジェンスン・フアンCEO、AMDのリサ・スーCEO、オラクルのラリー・エリソン会長、デル・テクノロジーズのマイケル・デル氏などが挙げられます。これらのメンバーは、長年にわたり業界を牽引してきた実績を持っています。
「事業を手がけてきた人材」に焦点を当てる理由
サックス氏は、今回の委員会構成について「幅広い専門性を結集することが目的」と説明しています。そして、「ソフトウエア分野の人材もいれば、チップや先端半導体の分野の人材もいる。物理学でノーベル賞を受賞した人や、量子コンピューティングや核融合、小型モジュール炉で画期的な成果を上げた人もいる」と、多様なスキルを持つメンバーが集まっていることを強調しました。
さらに、サックス氏は「特筆すべきは、彼らが実際に事業を手がけてきた人材だという点だ。単に研究や学術に携わってきただけでなく、多くの場合に企業を築いてきた」と述べています。この発言から、トランプ政権がAIモデルの開発だけでなく、その産業基盤である半導体やインフラの強化を重視していることが伺えます。
PCASTの役割と今後の展望
PCASTの主な役割は、大統領に対し科学技術政策について助言を行い、経済、雇用、安全保障に関する意思決定に必要な分析を提供することです。今回のメンバー構成は、AIモデルの開発よりも、AIを支えるチップやサーバー、大規模システムといったインフラに重点を置いていることを示唆しています。
AI技術の発展には、高性能な半導体や安定したインフラが不可欠です。トランプ政権は、これらの基盤を強化することで、アメリカの技術競争力を高めようとしているのかもしれません。今後のPCASTの活動に注目が集まります。