震災15年、福島イノベ構想の行方:成長戦略の中核へ、新たな産業集積に期待
東日本大震災と福島第一原発事故から11日で15年。復興の柱となる「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」、通称イノベ構想が国家プロジェクトとして10年目を迎えました。被災地には新たな企業が進出し、産業の芽も出てきていますが、震災前の経済力を取り戻すには、更なる成長戦略が不可欠です。
イノベ構想とは?重点分野とこれまでの成果
イノベ構想は、廃炉、ロボット・ドローン、エネルギー・環境・リサイクル、農林水産業、医療関連、航空宇宙の6つの分野を重点的に支援し、震災と原発事故で失われた産業基盤の再構築を目指しています。2025年3月末現在、422社が立地補助金を得て進出し、5022人の雇用創出が見込まれています。一定の成果は出ているものの、2022年の域内総生産(GDP)は震災前の3割弱にとどまり、2030年頃の目標達成は厳しい状況です。
高市政権の成長戦略とイノベ構想の連携
高市政権は、AI・半導体、造船、航空・宇宙、創薬・先端医療など17の戦略分野を掲げ、官民連携による重点投資を進めています。この17分野には、イノベ構想の重点分野と重なる部分が多く、特に航空・宇宙分野では、航空エンジン製造のIHIの相馬市工場が注目されています。県内には国際認証を取得した関連企業も36社と多く、成長投資を通じて研究拠点や企業を集約できれば、世界に展開できる技術が生まれる可能性を秘めています。
成長投資と税制優遇の課題
政府は、大規模な設備投資を行う企業への減税制度を検討しています。イノベ構想には既に法人税と地方税の優遇措置(イノベ税制)が存在するため、政府の新制度がイノベ税制よりも優遇される場合、産業集積に悪影響を及ぼす可能性があります。政府は、成長戦略会議で議論を重ね、夏の成長戦略に反映させる方針ですが、国家プロジェクトであるイノベ構想を中核に据えた議論が求められています。
復興から成長へ。福島イノベ構想が、日本の未来を切り拓くイノベーションの拠点となることを期待します。