米ガソリン価格、停戦合意でも夏休みまで高止まりの見込み?専門家が分析
アメリカとイランの間の停戦合意が発表されましたが、アメリカの消費者がガソリンスタンドで支払う燃料費は、今年の夏休みシーズンを通して高止まりする可能性が高いと専門家が指摘しています。
中東情勢の不安定さが価格に影響
イランでの戦闘開始以降、ガソリンと軽油の価格は数年ぶりの高値を記録。この燃料価格の高騰は、トランプ大統領の支持率低下にもつながりました。11月の議会中間選挙を控える共和党にとって、燃料価格への対応は重要な課題となっています。
停戦合意を受けて原油価格は一時的に下落しましたが、専門家は、この下落がすぐにガソリン価格に反映されるとは考えていません。なぜなら、停戦合意はすでに不安定な状況にあり、イスラエルとレバノンの間で大規模な攻撃が行われたこと、イランがホルムズ海峡の封鎖を継続していること、サウジアラビアのパイプラインが攻撃されたことなどが挙げられます。
価格変動のメカニズムと今後の見通し
南カリフォルニア大学のション・ハイアット氏は、「停戦合意やホルムズ海峡の状況には依然として不確実性が多く、小売業者は価格を急激に下げることはないだろう」と分析しています。また、「価格はロケットのように上がり、羽毛のように下がる」という燃料価格の特性も、価格下落を遅らせる要因になると指摘しています。
8日時点のガソリン小売価格は、1ガロンあたり4.16ドルと、約4年ぶりの高値からわずかに0.01ドル下落した程度です。ガスバディのアナリスト、パトリック・デハーン氏は、現在の状況が続けば、来週には0.05~0.10ドル程度下がる可能性があると予測しています。しかし、それでも昨年の平均価格を1ドル近く上回る水準です。
地政学的リスクと軽油・ジェット燃料の逼迫
ストーンXのエネルギー市場戦略ディレクター、アレックス・ホデス氏は、停戦が維持されるかどうかに関わらず、船舶の保険料が高止まりし、ホルムズ海峡の通航も慎重になるだろうと述べています。「年内を通じて市場の地政学リスクプレミアムは高止まりし、価格を押し上げ続ける」と見ています。
特に、軽油とジェット燃料の市場は厳しい状況が続くと予想されています。中東はこれらの燃料の主要な供給地域であり、中東産原油は精製過程でこれらの燃料の抽出率が最大となるためです。米国の軽油の平均小売価格は、停戦合意にもかかわらず1ガロンあたり5.67ドルと、2022年7月以来の高値を更新し、昨年を約60%上回っています。
TACエナジーのトレーディング部門は、「停戦計画が攻撃当事者まで浸透していないため、大半の船舶が引き続きホルムズ海峡を通航していない現状が、リスクプレミアムを維持させている」と指摘しています。
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