朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』が2026年本屋大賞を受賞!“生きる推進力”とは?
全国の書店員が選ぶ「2026年本屋大賞」が9日に発表され、朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』(日経BP日本経済新聞出版)が大賞に輝きました。朝井さんの作品が本屋大賞にノミネートされるのは、『正欲』(2022年)と『生殖記』(2025年)に続き3度目。受賞を飾った朝井さんは、自身の作品に共通するテーマについて語りました。
『イン・ザ・メガチャーチ』とは?
『イン・ザ・メガチャーチ』は、朝井リョウさんの作家生活15周年を記念して出版された作品です。家族と離れて暮らす男性、推しのアイドルグループに情熱を注ぐ女子大生、SNSで衝撃的なニュースに直面する女性…と、ファンダム経済を舞台に、それぞれの立場から「人を動かすもの」とは何かを問いかけます。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、そしてかつて熱中していた側という3つの視点を通して、物語の功罪をあぶり出す、現代社会を鋭く見つめた一作です。
“生きる推進力”という共通テーマ
朝井さんは、過去のノミネート作品である『正欲』『生殖記』『イン・ザ・メガチャーチ』に共通するテーマとして、“生きる推進力”を挙げました。生と死が隣り合わせの状況で、それでも人々が生きることを選択する理由やきっかけを探求し、作品に込めています。
「生きている中で感じるポジティブな感情を描くことは難しい。共同体の構造や仕組みを考えることが、一番近い作業なのかもしれません。人間というよりは、構造や現象を描いているのかな」と、作品に込めた思いを語りました。
受賞への喜びと、創作への不安
本屋大賞の受賞に喜びを表しつつも、朝井さんは自身の創作に対する不安も吐露しました。「小説というものの手前の位置で、言葉をこねくり回しているのかな。読者の方々は時間とお金を払ってくださるわけですから、そのうえで届けるものはこの感情で大丈夫かな」と、真摯な言葉で語りました。
また、今回のノミネート作品の多様性にも触れ、「自分が絶対に書けない作品が隣に並んでいるから、自分の中の偏りも大切にできると感じました」と、刺激を受けたと語りました。
朝井リョウさんの代表作
朝井リョウさんは、『桐島、部活やめるってよ』でデビュー後、『何者』で直木賞、『世界地図の下書き』で平田譲治文学賞、『正欲』で柴田錬三郎賞を受賞するなど、数々の文学賞を受賞しています。代表作には、『スター』『そして誰もゆとらなくなった』『生殖記』などがあります。
2026年本屋大賞ノミネート作品
2026年本屋大賞のノミネート作品は以下の通りです。
- 『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ(日経BP日本経済新聞出版)
- 『熟柿』佐藤正午(KADOKAWA)
- 『PRIZEープライズー』村山由佳(文藝春秋)
- 『エピクロスの処方箋』夏川草介(水鈴社)
- 『暁星』湊かなえ(双葉社)
- 『殺し屋の営業術』野宮有(講談社)
- 「ありか』瀬尾まいこ(水鈴社)
- 『探偵小石は恋しない』森バジル(小学館)
- 『失われた貌』櫻田智也(新潮社)
- 『さよならジャバウォック』伊坂幸太郎(双葉社)
本屋大賞の詳細は、