ハンガリー、16年間のオルバン政権に終止符!総選挙で野党が勝利、国民は「実験」にNO
ハンガリーで12日に行われた総選挙で、16年間政権を握ってきたオルバン・ヴィクトル首相が敗北し、政権交代が確実となりました。長年、独自の政治路線を歩んできたオルバン首相の「実験」に対し、ハンガリー国民はついに「これ以上、実験台にされるのはごめんだ」と意思表示した形です。
オルバン政権16年の軌跡:定義不明の「実験」
オルバン首相は、その政治手法を「非自由主義的民主主義」と定義しましたが、あまりにも否定的な響きだったため、アメリカの友人からは「国家保守主義」と呼ばれることもありました。しかし、オルバン氏は既存の保守派とは異なり、常に過激化を続け、その行動は一貫性を欠いていました。
「反グローバリスト」を自称しながらも、ドイツの自動車メーカーや中国・韓国のEVバッテリーメーカーを積極的に誘致。国家主権を擁護すると言いながらも、ロシアのウクライナ侵攻に対して明確な姿勢を示しませんでした。また、移民政策を厳しく批判しつつも、スリランカ、フィリピン、ウクライナ、トルコからの移民を奨励するなど、矛盾した政策を推進してきました。
少子化対策も奏功せず…国民は「対立」に疲弊
オルバン政権は、少子化問題の解決に巨額の資金を投入しましたが、合計特殊出生率は昨年1.31まで低下し、2010年の政権奪取時と変わらない水準に留まりました。富裕層はますます豊かになり、貧困層はますます貧しくなるという格差の拡大も、国民の不満を招きました。
オルバン首相は、「勝者総取り」の考え方で政治を進め、2010年の総選挙で3分の2の議席を獲得すると、新憲法を制定し、ハンガリーを自らの理想とする国へと再構築しようとしました。しかし、国民は絶え間ない対立に疲れ果て、平和と静けさを求めるようになったのです。
勝利を飾ったマジャル・ペーテル氏:包摂的な国家を目指す
今回の選挙で勝利を収めたマジャル・ペーテル氏は、すべての集会でハンガリー国旗を掲げ、排他的ではなく包摂的な国家メッセージを打ち出しました。彼は、ドナウ川の岸辺で勝利を祝う大群衆に向かって「今夜は祝おう。だが明日、私たちは仕事に取りかかる」と語り、国民に新たな希望を与えました。
マジャル氏は、オルバン政権下で拡大した格差を是正し、国民が意見を述べやすい、普通の国を目指すとしています。ハンガリーは、新たな時代を迎えることになります。