森の放置でアユがピンチ!?30年で激減の裏に隠された環境問題とは
「みどりの日」を迎えるにあたり、私たちは改めて森と向き合う必要があるかもしれません。国土の約7割を占める日本の森は、「長年の放置」という深刻な問題に直面しています。そして、その影響は川の魚、特にアユの減少という形で現れているのです。
アユ激減の理由とは?河口堰だけじゃない!
鵜飼で有名な長良川のアユの漁獲量は、この30年で大きく減少しました。漁師たちは、河口堰が大きな原因だと指摘します。
長良川漁師「河口堰は一番ネックやね」
しかし、アユの減少は全国的な傾向であり、河川の治水工事も影響していると考えられています。急峻な地形を活かした瀬と淵の連続が失われ、川が直線化されることで、アユが生息しにくい環境になっているのです。
長良川漁師平工顕太郎さん「急峻な地形を縫うような瀬と淵の連続、川の蛇行。これを今まっすぐ直線化していることもアユにとっては生きにくい」
放置された森が招く“土の乾燥”
さらに、問題なのは「長年の森の放置」だと岐阜大学の篠田名誉教授は警鐘を鳴らします。戦後、大量に植えられた木々は、30年前ごろから伐期を迎えたものの、外国産に押しのけられ、手入れもされずに放置されてきたのです。
岐阜大学篠田成郎名誉教授「長年放置されていると土が乾く」
放置された森では、土が乾燥し、地中から水分を吸い上げすぎたり、樹冠が雨を遮ったりするため、地面に水が届きにくくなります。また、落ち葉などが分解されず、土中の生き物も育たないため、土はパサパサになり、有機物が失われてしまうのです。
山林火災と豪雨、そしてアユへの影響
森の乾燥は、近年の山林火災の原因にも繋がります。しかし、一転して極端な豪雨が降ると、乾燥した土は削られ、大量の土砂が川に流れ込みます。
東京大学の蔵治教授は、間伐されていない森では、光が届かず植物が生えず、鹿が植物を食べることで地面がむき出しになり、土が流れ去ってしまうと指摘します。
東京大学大学院蔵治光一郎教授「間伐していないから光が入ってこない、暗くて植物が生えない。鹿がたくさんいて植物を食べる。地面がむき出しで土がほとんど流れ去った」
大量の土砂は川に堆積し、アユのエサとなるコケの成長を阻害します。また、産卵場所を荒らすため、アユの激減に繋がっているのです。さらに、コケを食べる川虫をエサとする他の魚にも悪影響が及んでいます。
森を活かす取り組み
この状況を受け、長良川上流の温泉施設では、間伐材を使ったボイラーを設置し、森の適切な管理につなげる取り組みを始めています。
岐阜大学篠田成郎名誉教授「近くの森を地元の人たちが伐り出して、間伐材ですが、森をうまいこと使う」
一方で、森を一気に伐って植林しない「放置」も、土砂の大量流出を招くため、避けるべきです。
私たちは、森との付き合い方を改めて考え、持続可能な方法で森を管理していく必要があります。SDGsの目標達成のためにも、森の保全は重要な課題と言えるでしょう。