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「続けるつもりなかった」震災から15年…“人のつながり”紡ぐサルのぬいぐるみ『おのくん』の物語

投稿日:2026年03月11日

2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年。震災の傷跡が癒えない中、宮城県東松島市で、ある温かい活動が続いています。それは、靴下から作られるサルのぬいぐるみ『おのくん』を通して、人々の心を繋ぐ活動です。

仮設住宅から生まれた『おのくん』

東松島市陸前小野駅前に佇むプレハブの建物。中には、大小様々なカラフルな『おのくん』たちがずらりと並んでいます。実はこのぬいぐるみ、『世界防災フォーラム』のマスコットキャラクターにも就任するほど、その人気は全国に広がっています。

『おのくん』は、震災直後の仮設住宅で、避難生活を送るお母さんたちが「何か集中できるものはないか」と模索する中で生まれました。1足の靴下から、胴体、耳、口、手、尻尾を作り、手作業で丁寧に縫い合わせる。そのシンプルながらも温かい制作過程が、多くの人々の心を掴みました。

名前の由来と“里親”の存在

「小野駅の仮設住宅だから、『おのくん』って名前にしよう」と、武田文子さんは当時を振り返ります。「簡単に3分で決まったんですよ(笑)」

完成した『おのくん』は、同じデザインの靴下から作られても、一つとして同じ顔はありません。世界にたった一つの個性が、多くの人々を魅了し、その持ち主は“里親”と呼ばれ、現在では世界中に34万人以上の里親がいます。

生みの親・武田文子さんの心の変化

『おのくん』作りを始めた当初、武田さんは「続けるつもりはなかった」と語ります。しかし、ぬいぐるみを通して繋がる人々の笑顔や、“里親”からの温かいメッセージを受け取るうちに、活動を続けることへの意義を見出すようになりました。

震災から15年。仮設住宅は再建され、生活は少しずつnormalcyを取り戻しつつあります。それでも、『おのくん』作りは今もなお続いています。それは、震災の記憶を風化させず、人と人との繋がりを大切にすることへの、武田文子さんの強い想いが込められているからです。

『おのくん』は、単なるぬいぐるみではありません。それは、震災の傷を抱えながらも、希望を失わずに生きる人々の心の象徴なのです。

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