「もう戻れない?」気候崩壊の時代を生き抜くために―斎藤幸平が語る現代のリアル
パリ協定の1.5度目標は失敗?「気候崩壊」が迫る未来
ベストセラー『人新世の「資本論」』で社会現象を巻き起こした経済思想家・斎藤幸平さんが、最新刊『人新世の「黙示録」』を出版しました。前著から5年が経った今、斎藤さんが抱く危機感はかつてないほど高まっています。2015年にパリ協定で掲げられた「気温上昇を1.5度に抑える」という目標は事実上失敗に終わり、世界はすでに「気候崩壊」のステージへと突入しているといいます。「気候変動」という言葉ではもはや表現しきれないほど、文明の基盤が根本から揺らぎ始めているのです。
「二季化」する日本と、世界を襲うドミノ倒し
私たちが直面しているのは、単に少し暑くなるというレベルではありません。日本国内でも「春」と「秋」が消滅し、夏が異常に長引く「二季化」の進行が避けられない現実となっています。さらに世界規模で見れば、大西洋の海流の弱化により食糧供給が致命的な打撃を受けるなど、まさに「ドミノ倒し」のように事態が悪化していくリスクが指摘されています。かつてのような安定した気候には二度と戻れない。そんな後戻りのできない時代を、私たちは生きているのです。
自国ファーストが招く「恒久欠乏経済」という絶望
戦争や紛争が続き、世界中で「自分たちの利益を確保したい」という自国ファーストな感情が強まっています。しかし、気候リスクと政治的な不安が重なれば、さらなる悪循環に陥るのは火を見るよりも明らかです。斎藤さんが警鐘を鳴らすのは、インフラの維持すら困難になり、あらゆる物が足りなくなる「恒久欠乏経済」の到来です。「黙示録」的な世界が目前に迫る今、私たちは経済成長ばかりを追い求める既存のシステムを根本から見直す必要があります。私たちが今から取れる選択肢とは何か、改めて問い直す時期が来ています。
詳細は、斎藤幸平さんの新著