カンヌでW受賞!濱口竜介監督の最新作『急に具合が悪くなる』が描く、言葉を超えた絆とは?
徹底した「濱口メソッド」が世界を震撼させた
第79回カンヌ国際映画祭にて、主演の二人が見事に女優賞をW受賞するという快挙を成し遂げた映画『急に具合が悪くなる』。世界的な注目を集める濱口竜介監督にとって、本作は初の海外ロケ作品となりました。フランスを舞台に、言葉や文化の壁を越えて深い人間ドラマを描き出した本作。その裏側には、濱口監督の真骨頂である「濱口メソッド」の存在がありました。
言語の壁すら超える、俳優の極限の集中力
本作は、パリで働くマリー・ルー(ヴィルジニー・エフィラ)と、がんを患う演出家・真理(岡本多緒)が出会い、絆を深めていく物語です。現場では日仏両言語が飛び交う多言語的な環境でしたが、濱口監督はあえてそれを逆手に取りました。撮影前には徹底的な台本の読み合わせが繰り返され、俳優たちは母語ではない言語が体に染み付くほどのリハーサルを積み重ねました。ヴィルジニー・エフィラさんは「カメラに映らない人と人の間に流れるものこそが重要だと感じた」と語り、言葉以上の「何か」を表現することに成功したのです。
「体が震えるような感動」を映画館で体感してほしい
原作は、哲学者の故・宮野真生子さんと人類学者の磯野真穂さんによる往復書簡集です。着想から5年、濱口監督が追い求めたのは、原作を読んだ時に感じた「体が震えるほどの感動」をそのまま映画館で観客と共有することでした。「人と人が言葉を介してどこまで深くつながれるのか」というテーマが、3時間16分という長尺の中で丁寧に、かつ力強く描かれています。映画の詳細は公式SNSや関連情報をチェックしてみてくださいね。