なぜ朝ドラに「お笑い芸人」が必要なのか?原田泰造とシソンヌじろうの好演から読み解く
名バイプレイヤーとして輝く芸人たち。視聴者が惹きつけられる理由は?
毎朝の楽しみであるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)。物語を盛り上げる重要な役割として、近年特に目立つのがお笑い芸人の俳優起用です。『風、薫る』の第45回でも、吉江役の原田泰造さんと康介役のシソンヌじろうさんが絶妙な演技を見せ、SNSでも大きな話題となりました。なぜ、お笑い芸人はドラマでこれほどまでに輝くのでしょうか。
原田泰造の「愛嬌」とシソンヌじろうの「抑制」。芸人ならではの表現力
まず、原田泰造さんが演じる吉江は、物語の中でも屈指の「善意の塊」のようなキャラクターです。しかし、ただの聖人君子ではなく、どこか漫画的なデフォルメを加えることで、視聴者が安心して見守れる人間味あふれる愛嬌をプラスしています。一方、シソンヌじろうさんは、怪我で自信を失った康介を非常に控えめに演じています。悲壮感を出しすぎないこの「引き算の演技」により、朝のドラマとして重苦しくなりすぎない配慮が感じられます。お笑いという「人を笑わせ、楽しませる」ことを職業とする彼らだからこそ、情報を的確に伝えつつ、視聴者を疲れさせないポジティブなエンタメ力を発揮できるのかもしれません。
これからの朝ドラに欠かせない、芸人の「伝える力」
ドラマの世界観を壊すことなく、キャラクターの感情を視聴者に分かりやすく届ける――そんな高度な技術が、芸人俳優には備わっています。シリアスな演技もこなせる一方で、やはり彼らの持ち味である「見ていて楽しい」という空気感は、忙しい朝の視聴者にとって大きな癒やしです。今後も朝ドラという舞台において、お笑い芸人たちがどのような名演技で物語にスパイスを加えてくれるのか、目が離せません。
今回のレビューは、12年間毎日朝ドラを追い続ける