【W杯】ブラジル代表はなぜ苦戦?批判殺到の「モロッコ戦」に隠されたアンチェロッティの深謀遠慮
「凡庸」なドローは計算通り?ブラジルが見せる新たな勝ち筋
北中米ワールドカップ、グループリーグ初戦でモロッコと対戦したブラジル代表。結果は1-1の引き分けに終わり、王国らしからぬ内容に世界中のファンから厳しい声が上がっています。「攻撃が単調」「プレスが甘い」といった指摘が相次ぎ、名将カルロ・アンチェロッティ監督の采配にも疑問符がつく事態となりました。しかし、この一見「凡庸」とも言える戦いぶり、実はアンチェロッティ流の計算された戦略である可能性が高いのです。
「再現性より効率性」アンチェロッティが目指す王者の戦い方
アンチェロッティ監督といえば、レアル・マドリーを何度も欧州の頂点に導いた名将です。彼の戦術の核は、過度な規律で選手を縛るのではなく、個々の能力を最大限に引き出す「撓(たわ)み」にあります。無理にボールを支配して攻め続けるのではなく、守備で耐え抜き、ヴィニシウス・ジュニオールのような個の力で一気にカウンターを仕留める。昨季のチャンピオンズリーグで見せたマンチェスター・シティ戦の戦い方も、まさにこのパターンでした。圧倒的にボールを持たれても、最後には勝つ。そんな「効率性」を重視した勝ち筋が、今のブラジル代表にも植え付けられていると言えます。
批判の中に見える強み、ブラジルはここから加速する
もちろん、今のブラジルがベストの状態とは言えません。しかし、モロッコ戦で見せた苦戦も、「耐え凌いで最後に仕留める」という王者のサイクルの一部だと解釈することもできます。ヴィニシウスの同点弾が示した通り、どんなに悪い流れでも「何もないところから得点を生み出せる」のが今のブラジルの最大の武器です。批判を浴びる今の戦い方は、世界を制するための「必然的な試練」なのかもしれません。今後、この戦術がどこまで進化し、王国を再び世界の頂点へと導くのか、注目が集まります。