「すぐキレる」は性格のせい?少年院の教官が気づけなかった非行少年の「本当の理由」
悪意があると思っていた行動が、実は「身体的な不器用さ」からきていた?
「何度言ってもすぐキレる」「平気で嘘をつく」。少年院で問題行動を繰り返す少年に、大人はつい「性格に問題がある」と決めつけてしまいがちです。しかし、児童精神科医の宮口幸治氏が原作を務める大ヒットコミック『ケーキの切れない非行少年たち』では、私たちがこれまで見落としていた「非行の真実」が描かれ、多くの読者に衝撃を与えています。本作品では、少年院の教官が「わざとやっている」と確信していた行動が、実は認知機能の弱さや身体的な不器用さに起因していたという事例が紹介されています。
「嘘つき」だと叱責される少年たち。その裏にある「生きづらさ」とは
物語に登場する倉持少年は、体育の授業中にサッカーで他人の足を蹴ったことで、教官から厳しく叱責されます。教官は「わざとやったんだろう」と問い詰めますが、少年は否定。しかし、教官はそれを「嘘をつくな」と一蹴します。ここで児童精神科医の六麦(ろくむぎ)が投げかけた視点は、「教官が見ている光景と、少年が感じている世界には大きなズレがあるかもしれない」ということでした。身体の使い方が不器用な少年は、力の加減やボールのコントロールが思うようにできず、結果として周囲を傷つけてしまうことがあります。しかし、本人には悪意がないため、それを「わざとだ」と決めつけて叱責し続けると、少年は「なぜ怒られているのか分からない」まま、周囲への不信感と反発を強めてしまうのです。
非行の背景を理解することで、更生への道筋が見えてくる
非行に走る少年たちの多くは、知的障害や発達障害など、見えにくい「生きづらさ」を抱えています。指示がうまく理解できない、相手の言葉を攻撃だと誤解してしまう、といった認知の歪みは、本人の努力不足ではなく脳の特性による場合が少なくありません。こうした背景を理解せず、ただ感情的に叱り続けることは、更生を妨げる要因にもなり得ます。支援する側が知識を持ち、視点を転換することが、少年たちの自立に向けた第一歩となるのです。原作書籍やコミカライズ版を読むと、教育や子育てにも通じる深い洞察を得ることができます。詳細は