「自分の作品を黒歴史にしないで」―大学時代の青春と創作の情熱を描いた漫画『大学の先輩』がSNSで共感の嵐
なぜ、人は過去の作品を「黒歴史」と呼びたくなるのか?
SNSで大きな反響を呼んでいる漫画『大学の先輩』をご存知でしょうか。作者の西村マリコさん(
「人生の夏休み」に燃やした情熱を、大人になった今もう一度
本作を描いたきっかけについて、西村さんは「3年前に結婚し、知らない土地へ移り住んだことで、大学時代のあの熱量が急に恋しくなった」と語ります。登場するキャラクターやエピソードはほとんどが実際の出来事に基づいており、いわば「思い出を詰め込んだ漫画」です。プロの視点から見れば、同人誌という媒体柄、構成に迷う部分もあったそうですが、「先輩の物語を描きたい」という強い意志が、読者の心を動かすリアルな描写に繋がりました。作中で唯一のフィクションである「先輩の死」には、慣れない環境での孤独感や、かつての仲間への切ない思いが投影されています。
感情をメモし続けることが、物語を作る原動力になる
西村さんは、日頃から嬉しかったことや悲しかったことをスマホにメモする習慣があるといいます。「大人になると心が動きにくくなるからこそ、感情を記録しておかないと消えてしまう」と語る彼女の言葉には、創作活動の本質が隠されています。そんな西村さんは、現在京都を拠点に青年誌での連載に向けて準備中とのこと。「しみじみと人生や、人間に生まれた幸せみたいなものを描いていきたい」と語る彼女の今後の新作から、ますます目が離せません。かつて夢中になっていたあの頃の情熱を思い出したい時、ぜひ手に取ってみてほしい一冊です。