主人公の名前が「ザンドラ」に?『風の谷のナウシカ』海外版で起きた衝撃の改変騒動とは
単純なアクション映画へ?原作ファンも驚愕の「別物」改変
今や世界中で愛されているスタジオジブリ作品ですが、過去には制作サイドが頭を抱えるほどの「取り返しのつかない改変」が行われた作品があるのをご存じでしょうか。その舞台となったのは、宮崎駿監督の出世作である『風の谷のナウシカ』です。1984年の公開当時、海外での配給権を「ニューワールドピクチャーズ社」に売却してしまったことが、すべての悲劇の始まりでした。
タイトルも名前も別人に…宮崎監督も抗議した「苦い歴史」
当時の海外版(アメリカ版)では、本来の詩情あふれるタイトルが『WARRIORSOFTHEWIND(風の戦士たち)』へと変更されました。さらに衝撃的なのは本編の内容です。116分あった上映時間は20分以上もカットされ、なんと主人公のナウシカの名前まで「ザンドラ(Zandra)」に変えられてしまったのです。作品の根幹である「腐海の浄化」に関する描写が大幅に削られたことで、物語は単純なアクション映画へと作り変えられてしまいました。宮崎監督自身もこの改変を事前に知らされておらず、猛抗議したものの、すでに公開の手はずが整っていたため覆すことはできなかったといいます。
20年越しの名誉回復。ディズニー版で本来の姿へ
この一件はジブリにとって大きな教訓となり、その後の厳格な海外ライセンス管理につながる「苦い経験」となりました。しかし、改変事件から約20年が経過した頃、ディズニー配給によってようやくカットなしの完全版が発売されることになります。さらに、クシャナ役にユマ・サーマン、ユパ役にパトリック・スチュワートといった豪華ハリウッド俳優が声優を務めるなど、本来のクオリティを取り戻しました。日本アニメが世界で評価される現在の地位は、こうした過去の試行錯誤と闘いの上に成り立っているのです。
詳しくは、ジブリ作品の歴史を網羅した