山上徹也被告、控訴へ 一審無期懲役判決を不服 「生い立ち」評価が争点に
2022年の安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)の控訴審が始まる。事件をきっかけに注目を集めた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への高額献金問題も、改めて浮き彫りになっている。
一審判決の内容と争点
山上被告は今年1月、奈良地裁の裁判員裁判で求刑通り無期懲役の判決を受けた。弁護側は判決を不服とし、大阪高裁に控訴。今後の審理で最大の争点は、被告の生い立ちをどこまで量刑に考慮するかだ。
過酷な生い立ちが明らかに
一審では、被告の母や妹が弁護側証人として出廷し、衝撃的な証言が相次いだ。被告は幼少期に父を自殺で亡くし、その後、母が統一教会に約1億円もの献金を行い自己破産。被告自身も自殺を図り、さらに兄も自殺するという過酷な生い立ちだった。
裁判で母は被告に対し「私が加害者」と謝罪し、「献金に一生懸命になって大変な間違いをした」と後悔の念を表明した。
判決理由と控訴のポイント
判決は被告の生い立ちについて「不遇な側面が大きい」と認め、教団への激しい怒りも「理解が不可能とは言えない」とした。しかし、実際に殺人行為に至ったことについては「飛躍があり、生い立ちの影響を大きく認めることはできない」と指摘。弁護側が主張した有期刑は認めなかった。
控訴審では、一審判決が被告の生い立ちを十分に考慮したのか、そしてそれが量刑に適切だったのかが問われることになる。今後の審理の行方に注目が集まる。