神奈川県立こども医療センターで響く癒やしのピアノ NICU・GCUの赤ちゃんたちと家族に寄り添う30分のコンサート
神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)の新生児病棟で、毎週金曜日に30分間のピアノコンサート「Nピアノ」が開かれています。治療を受けながら懸命に生きる赤ちゃんと、面会に来る家族に楽しい時間を過ごしてもらいたいという新生児科医たちの温かい思いから始まったこのコンサートは、今年で5年目を迎えています。
医師が奏でる希望のメロディー
午後2時過ぎ、医療スタッフが白いピアノを準備すると、赤ちゃんを抱っこした家族や看護師たちが集まってきます。コンサートの幕開けを告げるように、新生児科医の谷山禎彦さんが鍵盤に指を滑らせます。ディズニー映画『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」やカーペンターズの「青春の輝き」など、心に響く選曲が、病室に優しく響き渡ります。
歌声とピアノが織りなす感動
続いて、同じく新生児科医の稲垣佳典さんが、映画『STANDBYMEドラえもん』の主題歌「ひまわりの約束」や童謡「にじ」などを弾き語りで披露します。親たちは赤ちゃんを抱きしめながら曲に身をゆだね、一緒に口ずさむ姿も見られます。
早産で生まれた息子さんのために
神奈川県に住む藤原渚さん(39)は、早産で生まれた息子の快成くんを抱きしめ、演奏に聴き入っていました。快成くんは、出産予定日よりも3カ月早い妊娠27週、1072gで生まれ、現在は新生児集中治療室(NICU)から新生児回復室/新生児病棟(GCU)に移ってきています。渚さんはほぼ毎日面会に来ており、医師たちの演奏も毎週楽しみにしているそうです。
「子どもが入院していて不安や寂しい気持ちはありますが、ピアノの音色に癒やされます。子どもと一緒に聴けるのはとても良い経験です。息子はピアノを聴いていると、うとうとしてよく寝る気がします」と、渚さんは感謝の言葉を述べました。
Nピアノは、治療を受ける赤ちゃんと家族に、希望と癒やしを与える特別な時間となっています。音楽の力で、困難な状況を乗り越える力を赤ちゃんと家族に届けているのです。