モス「のり弁バーガー」大ヒットの裏側!店舗販売しない理由とは?
モスフードサービスが2025年7月に発売した冷凍食品「モスライスバーガーのり弁」が、予想を上回る大ヒットとなっています。ECサイト史上最大のヒット商品となり、売り上げも前年同期比で約1.5倍に急増!一体なぜ、のり弁がこんなにも人気を集めているのでしょうか?
なぜモスは「のり弁」を?ハンバーガーの冷凍化に隠された苦労
モスバーガーは、2020年にハンバーガー以外の収益源を確保するためMD(マーチャンダイジング)事業を立ち上げ、2022年にはECサイトを開設しました。しかし、ハンバーガーの冷凍化には大きな壁が立ちはだかりました。
商品開発部の寺本和男氏は、「バンズは加熱直後、一瞬ふわっとするが、すぐに収縮して硬くなる。電子レンジ調理に対応できなかった」と語ります。現在もECサイトではハンバーガーは販売されていません。
ライスバーガーに活路を見出す
そこで、モスバーガーはライスバーガーに注目しました。1987年に開発されたライスプレートは、元々レンジ調理に対応した設計だったため、バンズと違い冷凍にも耐えられると判断したのです。焼肉やしょうが焼きの冷凍ライスバーガーからEC展開を始めました。
「のり弁をバーガーにする」という斬新な発想
「のり弁」の商品化は、MD事業部部長の中野秀紀氏の提案から生まれました。冷凍食品市場では、おにぎりや焼きおにぎりなど、米を使った商品が人気を集めています。中野氏は「ライスバーガーにのりを使えば、おにぎりのイメージに近づけられるのではないかと考えた」と話します。
しかし、開発を担当した寺本氏は、既存のライスバーガーにのりを巻くだけでは面白みに欠けると判断し、EC専用の新商品としてイチから開発することを決意。「のり弁をバーガーにすれば、のりで巻く理由が生まれる」と考えたのです。
誰もが懐かしむ「のり弁」の味を追求
開発にあたり、弁当チェーンやコンビニ、高級専門店ののり弁を幅広く食べ比べました。誰もが思い浮かべる「のり弁」をバーガースタイルで再現するには何が必要か。最終的に、白身魚フライ、きんぴら、おかか煮、マヨソースといった定番の具材に絞り込みました。
寺本氏は「下手に奇をてらうと、のり弁らしさがなくなる」と語ります。当初はちくわ天も候補に挙がりましたが、冷凍からレンジ加熱すると硬くなるため断念しました。
のりの選定と製造の苦労
ライスバーガーにのりを巻くのは、1987年の発売以来初の試みです。そのため、のりの選定には苦労が重なりました。冷凍で割れない強度と、加熱後も残る風味の両立が必要だったのです。専門業者と産地の異なるのりを何種類も比較し、厳選したのりと、のりを巻いた状態で冷凍できる工場の確保に時間を要しました。
どこから食べても、のり弁と感じられるよう具材の配置にもこだわり、試作は数十パターン、開発期間は約1年にも及びました。
モスバーガーの「のり弁バーガー」は、懐かしい味と斬新なアイデアが融合した、まさに今話題の冷凍食品です。ECサイトでの販売限定という点も、話題性を高める一因となっているのかもしれません。