「ばけばけ」第113話が3月11日に放送された意義 「生きてきてよかった」が心に刺さる
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第23週の第113話が、東日本大震災から15年となる3月11日に放送されました。トキ(髙石あかり)が松江に戻り、懐かしい人々との再会を果たす中、過去の因縁を持つ雨清水家(タエ:北川景子、三之丞:板垣李光人)が再び物語に登場し、「生きてきてよかった」というタエの言葉が多くの視聴者の心に響きました。
ヘブンの帰化とトキの選択
ヘブン(トミー・バストウ)が帰化するにあたり、トキは前夫・銀二郎(寛一郎)の籍から抜けるか、生家である雨清水家の籍に入るかの選択を迫られます。どちらを選ぶにも踏み切れないトキの前に、司之介(岡部たかし)とフミ(池脇千鶴)が孫の勘太を連れて雨清水家を訪れ、なんと雨清水家の籍に入ることを了承してもらうという展開に。
「雨清水トキ」という新たな響き
松野家を離れることになったトキですが、意外にも嬉しそう。新たな名前となる「雨清水トキ」は「丑三つ時」とも聞こえ、怪談好きのトキはその響きにときめきます。家族の別れという重い決断をコミカルに、そして温かく描く『ばけばけ』らしい一幕です。
雨清水家の過去と未来
雨清水家では、タエがトキやヘブンの近況、そしてトキが雨清水家の籍に入ることを三之丞に伝えます。すると三之丞は「この家があることが役に立ってよかった」と呟きます。江戸から明治への時代の変化に戸惑いながらも、武士の誇りを守り続けた雨清水家。その存在が、松野家にも雨清水家にも新たな道を開いたのです。
「生きてきてよかった」という言葉の重み
タエと三之丞は、これまでの苦しかった心の内を明かします。「時に……生きていることが恥だと思ったことも、なかったわけではありません」「雨清水の人間であることをうらめしく思ったこともありました」と語る2人。そしてタエは、鳥の鳴き声を聞きながら、「生きてきてよかった命をなんとかつないで」と清々しい声で言い切ります。夕食を共にしながら、小さな幸せを実感する2人の姿は、多くの視聴者に感動を与えました。
3月11日に放送されたことの意義
第113話が放送された3月11日は、東日本大震災から15年となる日。筆者(岩手の沿岸部出身)は、タエの「生きてきてよかった」という言葉が強く心に響いたと語ります。震災後、瓦礫だけが残る町で希望を見出すことの難しさ、それでも日々を前向きに生きた人々の姿を思い出し、「生きることへの強いメッセージ」を感じたといいます。
災害の多い日本では、今も苦しい状況に置かれている人々も少なくありません。しかし、日々の小さな変化を積み重ねることで、いつか転機や幸せが訪れるかもしれない。タエが料理の腕を上げていったように、「生きているからこそ訪れるもの」があるのです。