南海フェリー、2028年3月末で撤退へ…コロナ禍と老朽化で経営難
南海電鉄が、和歌山と徳島を結ぶフェリー事業から2028年3月末をめどに撤退することを発表しました。かつては多くの観光客や地元住民の足として活躍した南海フェリーですが、近年は利用者の減少と老朽化した船体の問題が深刻化し、事業継続が困難な状況に追い込まれました。
南海フェリーの歴史と現状
南海フェリーは、南海電鉄の開業70周年を記念して計画され、1975年に設立されました。和歌山市の和歌山港と徳島市の徳島港を結び、約2時間15分で移動できる便利なフェリーとして、長年にわたり地域社会に貢献してきました。しかし、明石海峡大橋の開通により本州から四国への陸路が主要ルートとなり、利用者は徐々に減少。さらに、新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に減少し、経営状況は悪化の一途をたどりました。
経営難の背景と撤退の決断
2020年度と2021年度は、それぞれ5億3200万円、4億6200万円の赤字を計上し、2021年度以降は債務超過の状態が続いています。加えて、現在運航しているフェリー2隻のうち1隻が老朽化しており、更新には40億円以上の費用がかかることが見込まれています。南海電鉄は、これらの状況を踏まえ、「効率的な運行・経営は不可能」と判断し、苦渋の決断に至りました。
撤退時期の前倒し可能性も
南海電鉄は、撤退時期を2028年3月末としていますが、船舶や設備の老朽化、従業員の確保などが難航した場合は、撤退時期を早める可能性も示唆しています。今後の動向に注目が集まります。
南海フェリーの撤退は、和歌山県と徳島県を結ぶ交通手段の減少を意味し、地域経済や観光業への影響も懸念されます。今後の代替交通手段の確保や、地域活性化に向けた取り組みが求められます。