50年の歴史に幕南海フェリー、事業撤退へ…コロナ禍と老朽化が決定打
1975年創業の南海フェリーが、和歌山~徳島間(61km)のフェリー事業から2028年3月末を目途に撤退することを発表しました。50年以上にわたって両県を結んできた重要な交通手段でしたが、厳しい経営状況が追い風となり、ついに事業継続は困難となりました。
明石海峡大橋開通とコロナ禍で悪化した経営状況
南海フェリーの経営環境は、1998年の明石海峡大橋の開通をきっかけに徐々に厳しさを増していました。橋の開通により、本州と四国を結ぶ交通手段の主役は陸路へとシフト。さらに、人口減少や少子高齢化も重なり、利用者は減少の一途をたどっていました。
そこに、2020年度以降の新型コロナウイルス感染症の感染拡大が追い打ちをかけ、収入は大幅に落ち込みました。2021年度からは債務超過の状態が続いており、事業継続は極めて困難な状況でした。
老朽化も深刻…船体更新は断念
現在運航中のフェリー「フェリーかつらぎ」が就航から26年を迎え、老朽化による船体更新の時期を迎えていました。しかし、財務状況の悪化から更新は断念。残る「フェリーあい」1隻での運航継続も検討されましたが、効率的な運営は不可能と判断されました。
安全運航への懸念から撤退時期の前倒しも
南海電気鉄道は、船舶・設備の老朽化や従業員の確保といった問題から、安全運航に支障が生じる恐れがある場合には、撤退時期が前倒しになる可能性もあるとしています。今後の状況によっては、2028年3月末よりも前に事業が終了する可能性も考えられます。
南海フェリーの撤退は、和歌山県と徳島県を結ぶ交通手段の減少を意味します。今後の両県の交通インフラや観光への影響が注目されます。